マークIIといえばFRセダン!! 今やその名も消滅してしまったが、かつてその名前を冠しながらもFFのワゴンが存在したのだ。思い返せばカムリベースであったのだが、一体これはなんだったのか!?!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■マークII売れたなぁ……かつては2ドアもあったのよ
マークIIといえば、現在は絶版車となってしまっているものの、端正な4ドアボディと扱いやすいボディサイズ、そして6世代目から最終型までのスポーツグレードには名義と名高い1JZ-GTE型エンジンが搭載されたFRモデルとして、高い人気を誇る1台だ。
そんなマークIIには4ドアモデルのほかに、かなり古いが2ドアハードトップ、さらにはステーションワゴンモデルも存在していた。
ワゴンモデルは4ドア仕様と異なるモデルチェンジ周期を持っていて、旧型ベースのものを併売していたこともあり、こちらはこちらで別の方向から人気を集めている。
■本家本元とはエンジンも別モノ!! でも見た目は8代目マークIIとソックリ
そんなマークIIの名を冠するステーションワゴンとして1997年4月に登場したのがマークIIクオリスと名付けられたモデルだ。
それまでは1984年に登場した5代目マークIIをベースとしたワゴンモデルが継続販売されていたのだが、さすがに古くなり過ぎたということで、その後継車種として登場。
フロントマスクは前年に登場した8代目マークIIの雰囲気を踏襲したデザインが与えられていた。
ただ、当時のマークIIは直列6気筒エンジンが基本となっていた(ディーゼルモデルのみ直列4気筒)のに対し、マークIIクオリスは直列4気筒2.2Lと、V型6気筒の2.5Lおよび3Lとエンジンラインナップが異なっていた。
■3Lエンジンモデルもあったゾ!! でもなんでその名前なのにFFなのよ!!
それどころか後輪駆動レイアウトを採用するマークIIに対し、マークIIクオリスはなんと前輪駆動レイアウトを採用しており、フロントマスクこそ共通するデザインとなっていたものの、中身は全く別の車種となっていたのである。
実はこのマークIIクオリス、前年の1996年に登場したカムリグラシアワゴンの兄弟車種となっており、マークIIとはメカニズム的に共通点はほぼないモデルとなっていたのだ。
ただ、走行するためのメカニズムがフロント部分に集中している前輪駆動レイアウトとなったことでステーションワゴンとしての室内空間の広さはFR時代のマークIIワゴンとは比べ物にならないほど拡大。
カムリグラシアワゴンには搭載されなかった3Lエンジンがラインナップされるなど、上級Lクラスワゴンとしては上々の評価となっていた。
その一方で当然ながらFRらしい走り味は楽しむことができなくなったため、ユーザーによっては賛否の分かれるものとなり、その次の世代のステーションワゴンである「マークIIブリット」は再びFRに戻されている。
【画像ギャラリー】顔は当時のマークIIとほぼ一緒!! でも衝撃の答えがコレだ(4枚)画像ギャラリー
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