【カブト エクシード-2 インプレ】エッジィな斬新シールドで空力性能アップ、高速走行がより得意に

【カブト エクシード-2 インプレ】エッジィな斬新シールドで空力性能アップ、高速走行がより得意に

 カブトのインナーバイザー付きジェット「エクシード」が2にバージョンアップし、6月から販売がスタートした。最大の特長は、風の巻き込みを和らげ、紫外線と赤外線をカットする新シールド。さらに新作の内装などで使い勝手もアップしている。早速インプレをしてみた。

 
文/沼尾宏明 Webikeプラス
 

ガッチャマン(?)なエアロシールドで快適性が向上した

 春のモーターサイクルショーで初公開され、注目を浴びたカブトの「EXCEED-2」(エクシード-2)がいよいよ6月から発売された。

 本作は、インナーサンバイザーを備えたジェットヘルメットのトップモデル「エクシード」の進化版だ。エクシードは、コンパクトな帽体に洗練されたデザインを採用し、空力性能、被り心地が優秀なモデル。エクシード-2ではこれを継承しながら、斬新な形状のシールドと新しい内装などで快適性を向上している。

 新型のシールドは形状がとても独創的。下部が逆スラントしてから前方に伸び、サイドには溝を設ける。青みがかった色といい、個人的には往年のアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』に出てくるヘルメットを連想してしまったが、実に斬新だ。

 これはもちろんデザインだけでなく、空力特性を考慮した形状。カブトお得意の風洞実験やCFDによる空力解析や実走によって決定されている。

 加えて、紫外線と赤外線を大幅にカットするテイジン社製の高機能ポリカーボネートを素材に使用。日射しを和らげ、ヘルメット内の温度上昇を抑える機能があり、ヘルメットメーカーでは唯一カブトが採用している。

 内装は新たに「制菌加工」を施した。これは繊維上に発生する細菌の増殖を抑え、菌から発生する不快な臭いなども抑えられるという。さらに額や側頭部パッドの面積を拡大したほか、スピーカーホールも大型化されている。

 

エクシード-2

エクシード-2(カブト)。2018年に登場したエクシードが進化し、バイザーや内装などが新作に。空力特性を高めるウェイクスタビライザー付きの帽体や吸排気ダクトなどは好評だった従来型を継承する。帽体は耐衝撃性の高いABS樹脂製。



  ●価格:3万6300円~
  ●サイズ:XS、S、M、L、XL
  ●規格:JIS
  ●メーカーサイト:
https://www.ogkkabuto.co.jp/motorcycle/products/openface/exceed-2/exceed-2.html

 

前面からだとシールド先端のエッジィさがわかる。帽体は、シミュレーターのFEM構造解析により無駄な部分を削減し、安全性と軽さを両立。XS~MとL~XL用で帽体の大きさを変更し、軽量&小型化と細やかなフィッティングを実現している。

 

 

コンパクトな帽体に、ロングタイプのシールドとインナーサンシェードを組み合わせる。別売のピンロックシート(3300円)も装着可能。

 

 

後部両サイドの突起がウェイクスタビライザー。風洞実験や実走から生まれたカブト自慢の特許技術で、帽体付近に発生する乱流を制御し、ヘルメットのブレを抑える。

 

クルマのリップスポイラーを思わせる形状で、左右には窪みも設置。走行風を効率よく分散させる。材質はテイジン社の高機能ポリカーボネート製で、紫外線(UV)を99%、赤外線(IR)を74%カットする。

 

走行風を導入するエアインテークは2段階調整式。ダクトがシャッターを兼ねる大型タイプで、操作感は良好だ。

 

負圧で帽体内の熱気を吸い出す排気ダクトは中央の大型スイッチで開閉できる。各部にカーボン調エンボス処理を採用し、スタイリッシュな印象だ。

 

左側シールドベースのスイッチを上下することでサンシェードを開閉できる。頬の両サイドにインカムやカメラの装着を考慮したスペースも設置した。

 

 
 
 

驚き、新シールドが空気のドームを形成し、巻き込み風はほぼ皆無

 実際の被り心地は、後頭部を含めて頭全体を包み、特に頬部をしっかりサポートしてくれる。直接比較したわけではないが、従来のエクシードより頬部のカッチリ感が増した印象で、被り心地は軽快かつスポーティだ。

 筆者が実測した重量は1555g(Lサイズ、パールホワイト)。インナーバイザーとラチェットバックルを採用したジェットとしては軽い部類だ。ちなみにエクシードは1562gだったので、わずかに軽い。

 走り始めて新型シールドの効果がすぐわかった。首元に走行風が流れるのに、口元にはまるで空気のドームが形成されているように巻き込み風を感じない。これは100km/hまで速度を出すと顕著にわかるハズ。「空力解析もここまで来たか!」と思わず唸ってしまった。

 従来型もウェイクスタビライザーを備え、100km/h走行時でリフト感やブレは皆無だったが、これに前方の整流効果を増す新型シールドが加わり、空力性能が一段と向上した印象。シールド自体にもブレがなく、全体的に安定感が非常に高い。高速走行中に死角確認などで首を振る動作もラクだった。なお風切り音は80km/h程度からやや目立ち始めるものの、不快なレベルではない。

 換気性能に関しては、夏場だったこともあり、頭に空気の流入などは感じられなかったものの、ムレはなく、しっかり効果を発揮していると思われる。

メガネスリットによりツルが引っかかりなく、出し入れできる。こめかみの圧迫感もほぼない。

 

内装はフル脱着式で、サラッとした肌触りが特徴。DEOFACTOR製の制菌加工を施したほか、速乾生地のクールマックスを一部に採用する。

 

直射日光の熱を緩和し、夏場に重宝しそう

 エアロブレード6やRYUKIにも採用されているUV&IRカットシールドは、やはり優秀。気温30度の晴天時に走行したが、クリアシールドと比べてみると、顔に感じる直射日光の熱が明らかに和らいでいる。これは多くの人が体感できるハズだ。

 日射しを遮るにはスモークシールドを装着するのも手だが、UV&IRカットシールドはクリアな視界を保ったまま涼しいのがポイント。さらに内蔵サンバイザーを使えば、眩しさを防ぐことができる。バイザーはダイレクトな操作感の直動式で、軽く操作できるのがいい。もちろんメガネをかけたままでもサンバイザーは使用できる。

 なおスピーカーホールが拡大しており、耳元への圧迫感が減っているのも美点。スピーカー位置の微調整もやりやすくなった。

 

UV&IRカットシールドの恩恵で、直射日光のジリジリ灼ける感覚が緩和され、帽体内を涼しく保ってくれた。なお地面に置いた際、シールドの下端が地面に当たって擦れてしまいがちなのでご注意を。

 

スピーカーホールが拡大され、スピーカー装着時の耳元の圧迫感が減少。ケーブルを収めるルートも新設された。

 

ダブルアクション式のマイクロラチェットバックルを採用。安全性を確保しつつ、街乗りなどでの頻繁な着脱も苦にならない。

 

[まとめ]ジェットで高速走行をしたい人にオススメ

 ジェットヘルメットは、高速走行が不得手ではないものの、やはりフルフェイスに比べて巻き込み風が多い。一方、元々のエクシードはジェットヘルメットながら巻き込み風が少なく、高速道路に強かったが、エクシード2は一段とクルージングが得意に。また、UV&IRカット機能により涼しさも手に入れた。

 従来型からソリッドカラーで1100円の値上げに留めているのも立派。スタイリッシュで街中に似合い、ジェットで高速走行を楽しみたいライダーにぜひオススメしたい。

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/parts-gears/381097/

【カブト エクシード-2 インプレ】エッジィな斬新シールドで空力性能アップ、高速走行がより得意に【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=381097

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