24.2%。何の数値かというと、「運転免許証を持つすべての日本人のなかで、65歳以上の割合」。おおぉ~! つまりは、運転免許保有者の約4人にひとりが65歳以上……で、かなりインパクトのある数値!! そんな高齢ドライバー向けに警察庁が設けた「策」があるのです。
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock、ベストカーWeb編集部
■さらに驚くのが「70歳以上の免許保有者が16.6%」という事実
警察庁調べのデータ「令和5年末の運転免許保有者数」。それの年齢別のところを眺めていた筆者。「うおっ!」と目が留まったのが、冒頭に挙げた数値なのです。
すべての65歳以上の免許保有者が日常的にクルマの運転をしているワケではないだろうが、24.2%という割合は実に高い。
ちなみに、世代別でみると、運転免許保有者数の割合が最も多いのは50歳代で20.5%。次いで40歳代が19.2%と、どちらも「なるほどね」と納得の数値。それだけに……「65歳以上が24.2%」という割合は際立ちすぎる! と思うわけです。
さらに、驚いてしまうのが、70歳以上の免許保有者が16.6%! すべての免許保有者のなかで16.6%が70歳以上なのですよ、みなさん!! これも割合が高い。超高齢化社会の日本……という実態の一片がわかる数値ですなぁ。
■「認知症疑い」の高齢ドライバーには運転を避けてもらう!
高齢になると、脳の老化と身体機能が低下することが顕著となり、高齢ドライバーが起こす割合の高いハンドル操作ミスや、ブレーキとアクセルの踏み間違いの大きな原因となっているという。
その深刻な背景のもと、警察庁は「75歳以上の高齢ドライバー」に対して、運転免許更新時の「認知機能検査」を2009年から実施している。見出しにある「策」とはこれのこと。
わかりやすく言うと、「認知症の疑い」がある高齢ドライバー、あるいは認知症のドライバーがハンドルを握ることを避けてもらう措置(検査)。それだけに検査内容は、高齢者にとって難易度は高い。
ざっくりとその受検内容。上に一例があるが、楽器や動物など合計16枚のイラストを約4分間で記憶し、「その16枚には何が描かれていたか?」を答えるというもの。62歳になったばかりのオジサン筆者も、正直、全問正解は難しいと思う(汗)。
■「脳活ドリル」で脳にストレスをかけてあげる!!
では、「認知機能検査」を突破する(合格する)ためには、どうすればいいのか!?
「日頃から脳にストレスをかけてあげることですね。新しいことにチャレンジせず、今までと同じことばかりをしていると脳は衰えてしまいます。高齢者にとっては脳を鍛えることが重要で、そのためには適度なストレスをかけてあげること。その意味でも、脳活は重要になります」
こう話すのは、脳神経内科専門医の塚本 浩先生。現在、東京医大で脳神経疾患の専門診療に携わりながら、認知症の早期発見や予防研究も行う、日本神経学会脳神経内科の専門医だ。
塚本先生が話す「脳活」。それに効果的なドリルとは、例えば上で取りあげたようなもの。これは、〇のなかに+や÷などを入れて計算式を成り立たせる「穴埋め計算」。全18問を13分目標で解くことで脳が活性化される! というものだ。
高齢者の脳に効果的な「脳活ドリル」を日頃から行い、75歳からの「高い壁」ともいえる「認知機能検査」に合格するというプラン。これは、アリだと思う。
別冊ベストカー
『運転免許認知機能検査 完全攻略本』
総合監修:塚本 浩(脳神経内科専門医)
定価:1320円(税込)
発売日:2024年6月20日
ISBN:978-4-06-535658-6
講談社ビーシー/講談社
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