ヘッドライトの[黄ばみ]はなぜできるのか? 実は落とすのは簡単! こすらず疲れずたった1500円! やってTRY!

ヘッドライトの[黄ばみ]はなぜできるのか? 実は落とすのは簡単! こすらず疲れずたった1500円! やってTRY!

 最近、ヘッドライトが黄ばんでいるクルマをよく見かける。たいていは新車から10年以上経ったちょっと古いクルマだ。不思議なのはクルマのヘッドライトは人間でいえば顔の一部なのに、そのまま放ったらかしにしているクルマも多い。もし、愛車のヘッドライトが黄ばんでいたらたった1500円でキレイになるのでぜひTRYしてほしい!

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、トビラ写真(Adobe Stock(smuay@Adobe Stock)

■こんなに黄ばんでいると落ちないという先入観がある

これだけ白くくすんでしまったヘッドライトがクリーナーなどで蘇る(art_rich@Adobe Stock)
これだけ白くくすんでしまったヘッドライトがクリーナーなどで蘇る(art_rich@Adobe Stock)

 筆者の近所にはヘッドライトが黄ばんだクルマがいっぱい駐車場に停まっている。たいていは2世代以上前のクルマで、カバーをかけないで屋外駐車場に停まっている。

 ではなぜヘッドライトは黄ばむのだろうか? 昔のヘッドライトは、丸か四角い形のガラス製で発生する熱で光を放出するタイプ。バルブも白熱球、その派生のシールドビームやハロゲン球だ。

 旧車を所有したことがあるのでわかるが、ガラス製のヘッドライトは黄ばんだり、白化することはない。ヘッドライトの内側が曇ったことはあるが……。

 ポリカーボネートは、アクリル系の熱可塑性(熱を加えると柔らかくなる性質)樹脂。樹脂素材としてガラス材と同等の透明度を備え、自動車部品として重要な耐衝撃性と耐久性の高さを誇り、加工がしやすいという長所がある。安全面でも衝撃によって破損した際に破片が飛散しにくい。

 ポリカーボネート製ヘッドライトが量産車に広く使われ始めたのはおおよそ1980年代から。1984年に初代トヨタソアラに、世界初の「オール樹脂製異形ヘッドランプ」(小糸製作所製)が採用され、それまでのガラス製に比べ、軽量かつ加工しやすく、耐擦傷性(傷の付きにくさ)に優れた樹脂製カバーが一気に量産車に使われ始めたのだ。

 ただし、弱点もあって、紫外線や内部の電球が発する熱に対して弱く、傷が付きやすい性質をもつ。たとえば、家屋の脇のカーポートの屋根にもポリカーボネートが使われていることが多いが、使用条件が厳しいので寿命は10~15年程度とされている。

 さすがにクルマのカーボネート製ヘッドライトはこれを上回る耐久性を備えるとはいえ、新車から10年以下のクルマでも黄ばみが出ているクルマも見かける。

 もちろん、新車のヘッドライトにはコーティングが施されているが、屋外駐車場に停めているクルマの場合、直射日光に当たり続けていると、経年変化によってこのコーティングが剥がれて黄ばみや白化が起きてしまう。

 ヘッドライトの黄ばみの最大の原因はズバリ紫外線。軽いくすみ程度ならば100円ショップで売っている重曹とクエン酸で取れるが、ひどい黄ばみだとやはり、専用の黄ばみとりクリーナー+コーティング剤を使いたい。

 ヘッドライトが黄ばんだまま走っているオーナーのみなさんは、きっと知らないんだろうな~。たった1500円程度、ヘッドライトクリーナー&コーティング剤を塗るだけで、黄ばみが落ちることを! 

■実際に施工した例を紹介

施工前の黄ばみ、白化したヘッドライト
施工前の黄ばみ、白化したヘッドライト

 ケミカルメーカー各社から販売されているなかから選んだのは、呉工業の「LOOX(ルックス)ヘッドライト クリア&プロテクト」。この商品は、なんと、こすらずに塗るだけで、黄ばみ汚れが落ち、その後、コーティング剤を塗って、その耐久効果は最長2年も持続するという優れもの。

 こんなに汚い黄ばみがほんとに落ちるのか? マスキングテープをヘッドライト回りに貼って、付属の保護手袋を付けて、ヘッドライトの表面に砂やほこりがないか確認した後、ディープクリーナー(汚れ落とし)を塗布用クロスにつけて塗っていった。

LOOKSヘッドライト クリア&プロテクト。価格は1508円
LOOKSヘッドライト クリア&プロテクト。価格は1508円

 白濁したディープクリーナーをヘッドライト全面に塗って待つこと10~20秒、汚れが浮き上がってきた。ポイントは擦らずに頑固な汚れが浮き上がってきたこと。こんなに簡単に落ちていいのか? と思わず口走ってしまったほどだ。

 浮き上がってきたら、今度はマイクロファイバークロスを水で濡らして軽く絞り、吹きあげていった。ゴシゴシというほどでもなく、軽く力を入れて拭きあげていった。

クリーナーをヘッドライト全面に塗っていく。待つこと10~20秒で余頃が浮き上がってくる
クリーナーをヘッドライト全面に塗っていく。待つこと10~20秒で余頃が浮き上がってくる

 ディープクリーナーを乾いた布で拭きあげていった後、30分以上放置し、充分乾燥させた後、今度は、「超耐久クリアガラスコート」を付属のクロスに適量を付けて塗っていく。擦らずに塗るだけで汚れが落ちたのも驚いたが、このコーティング剤を塗った部分が透明(クリア)になったのにはビックリ。

 注意事項としては、コーティング剤を塗布後12時間は触れたり、水がかかったりしないように乾燥させることが重要。24時間でコーティングが完全硬化するそうだ。

水で濡らして軽く絞ったマイクロファイバークロスで拭きあげていく
水で濡らして軽く絞ったマイクロファイバークロスで拭きあげていく

 説明書によれば、硬度6Hの硬質ガラスコート剤が透明感を復活させ、ヘッドライトをキズや劣化から保護する、とのこと。さらに強力UVカット剤を配合して紫外線や高温、酸性雨による黄変や白化を防ぎ、コーティング効果は最長2年間持続するという。

汚れを落とし、充分乾燥させた後、今度はコーティング剤を塗っていく
汚れを落とし、充分乾燥させた後、今度はコーティング剤を塗っていく

 ちなみに約1年前にこの製品で黄ばみを落としたが、いまだに黄変や白化は発生していない。

 改めて施工前のヘッドライトと見比べてほしい。右側のヘッドライトは黄ばみ、白化が激しかったものの、ディープクリーナーを塗ると一発でキレイになった。これを見たらきっと「早くやっておけばよかった」という黄ばんだヘッドライトライトのクルマオーナーが呟くに違いない。

コーティング剤を塗るとさらにクリア(透明)に。施工後、こんなにキレイになるとは
コーティング剤を塗るとさらにクリア(透明)に。施工後、こんなにキレイになるとは

 また、2024年8月からヘッドライトのロービーム検査の規定が、「やむを得ない場合はハイビーム検査でもよい」という例外規定が撤廃され、ロービームの色、光量、配光特性が厳しくチェックされるため、ヘッドライトが黄ばみや白化していると不合格になる可能性が高いので要注意。

 いずれにしても愛車を屋外駐車場に停めている人! この夏も酷暑が続き降り注ぐ大量の紫外線でヘッドライトの黄ばみがますます進むので、いま一度気にかけてほしい!

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