2024年の超目玉車であるフリード。既にAIR・CROSSTARには多くの注文が集まり、ホンダディーラーからは嬉しい悲鳴が聞こえてくる。人気絶頂の今、3つ目のフリードとして登場したのがフリードe:HEV AIR Bizだ。法人需要に特化したフリードで、ホンダが商用バンと社用車市場に殴り込みをかける。
文/佐々木 亘:写真/ホンダ
■法人向けフリードってどんなクルマだ?
人も荷物もゆったり、快適ビジネス仕様という謳い文句で登場したのが、フリードe:HEV AIR Bizである。4人乗りとなっており2列目シートがキャプテンシート、3列目がそもそも存在しないという、特別なフリードである。
ベースとなるAIRとの違いは、フロントシートアームレストやシートバックポケット、テレビアンテナやBluetooth、リアスピーカーに消音材などが省略されていること。しかしホンダセンシングは付いているし、両側パワースライドドアもある。スライドドア両側にはロールサンシェードまで付いているのだ。
また、サードシートが存在しないため、荷室はクロスターの5人乗りと同じように広く、多くの荷物を積み込める。2列目はアームレスト付きの前後スライドができるキャプテンシートだから、来客時の送迎にももってこいなのだ。
これで車両価格は264万5500円(FF)となる。ビジネスカーで、荷物と大切なお客様の両方を1台のクルマで運べるということは聞いたことが無い。これまでは、荷物のためには4ナンバーの貨物車を揃え、大切なお客様のためには乗用車を別に買い求めるのが普通だった。
フリードAIR Bizは、法人保有車両の常識を覆すゲームチェンジャーになるだろう。コイツの登場に戦々恐々とするのが、ビジネス車両でも一強状態だったトヨタ陣営だった。
【画像ギャラリー】欲しすぎて会社を作ってしまいそう!! フリードe:HEV AIR Bizのベースとなるホンダ フリードe:HEV AIR(16枚)画像ギャラリー■ビジネスカー最強のトヨタが脅威と語る存在
自動車メーカー各社は、ビジネスカーの展開に一苦労している。OEMなどを駆使しながら、なんとかラインナップを保っているメーカーが大半だ。
かくいうホンダも、ビジネスモデルといえるのは、N-VANとフリードAIR Bizの2車種だけ。対するトヨタは、豊富なラインナップを軸に、法人シェアの多くを獲得してきた。
トラックではダイナ、1BOXにはハイエースやタウンエースを揃え、ライトバンにはプロボックスがいる。さらにカローラアクシオ・フィールダーのような営業車、軽トラに軽バン、コースターにジャパンタクシー、ハイエースコミューターまでがトヨタのビジネスラインナップだ。
法人向けのビジネスカーが豊富に揃っていると、全国各地に散らばるトヨタディーラーは、商売がしやすくなる。個人ユーザーと違い、ある一定の周期で定期的に買い替えが起こり、ひとつの会社に複数台のクルマを納入できるビジネスカーは、販売店収益の大きな柱なのだ。
特にトヨタ店・トヨペット店は、古くから抱える法人客を大事にしてきた。その両チャネルが、「今後の脅威」と語るのがフリードAIR Bizなのである。店舗では、トヨタの法人需要がホンダディーラーに食われる恐れがあると、急ぎ対応の最中という印象を受けた。
【画像ギャラリー】欲しすぎて会社を作ってしまいそう!! フリードe:HEV AIR Bizのベースとなるホンダ フリードe:HEV AIR(16枚)画像ギャラリー
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