オートライトの採用事情は? 廉価グレードでは設定の有無に注意
元記事に戻る【オートライト義務化の注意点】信号待ちでの思いやり消灯は違反なのか?
まず、輸入車に関しては、欧州車では2011年からオートライトが義務化となっており、日本で販売される新車の欧州車は、ほぼ100%オートライトが付いていると考えていいだろう。
日本では少数派となるアメリカ車も、各車の装備内容を見るとオートライトは8割程度のモデル(というよりグレード)に標準装備されている。
日本車に関しても、ハロゲンライト以外のHIDヘッドライトやLEDヘッドライトが付く新車であれば、ほぼオートライトが装備されている。
コストダウンが進んだこともあり、軽自動車でもLEDヘッドライトは当たり前のものになっており、日本車の新車にHIDヘッドライトやLEDヘッドライトが付く割合は、新車ではかなり高いと思われる。
マツダは2019年5月発売のマツダ3、9月発売のCX-30に新法規対応のランプスイッチを導入。
ポジションは「OFF」「AUTO」「スモール」「前照灯」の計4つだが、「AUTO」がデフォルトで、「OFF」や「スモール」に回した場合は「AUTO」に自動で戻る。
ホンダも、2019年8月発売の新型「N-WGN」に、同様のスイッチを導入しています。
そのほか、多くのクルマでは、1段階ひねるとスモールライトが点き、2段階目でヘッドライトが点くようになっているが、ここで注目したいのはスイッチの順番。
たいていは、OFF→AUTO→スモール→ヘッドライトの順番だが、ホンダはスモールが先にあって、AUTO→ヘッドライトの順。
BMWは、OFFを基点に左にひねるとAUTO、右にひねるとスモール→ヘッドライトの順。メルセデスベンツは、なんとヘッドライトのOFFスイッチがなく、AUTOが標準。
以下に日本メーカーのオートライトの設定状況を確認して並べてみた。当然ながら、現状で標準装備ではなく未設定の車種においても、いずれは標準化されるはずだ。
■トヨタ
トヨタではオートライトは“コンライト”(ライト自動点灯・消灯システム)と呼ばれる。当然とはいえ、発表年次の新しいモデルにはしっかりとオートライト機能が用意されていることがわかる。
●オートライト標準装着車
C-HR、RAV4、ランドクルーザー、ランドクルーザープラド、ハリアー、ライズ、プリウス(PHV)、クラウン、カローラスポーツ、カローラセダン&ツーリング、タンク/ルーミー、ノア/ヴォクシー/エスクァイア、アルファード/ヴェルファイア、グランエース、スープラ、センチュリー、ミライ
■非標準装着車
▲シエンタ:G Cueroが標準装備であるのを除き、コンライトはLEDランプパッケージとしてメーカーオプションで設定
▲ヴィッツ(現行):ほぼ標準装備だが、Fおよび標準仕様のスマートストップパッケージ(1L、FWD)にはLEDランプパッケージとして用意、1L FWDのMパッケージは設定なし
▲ポルテ/スペード:コンライトのみの設定はなく、プロジェクターヘッドランプとともにHIDパッケージ(メーカーセットオプション)で用意
▲ハイエース・ワゴン:ほぼ標準装備だが、廉価グレードのDXを除く
▲ハイラックス:上級グレードのZに標準
▲パッソ:ほぼ標準装備だが、ベースグレードのSXに設定なし
▲プレミオ/アリオン:ベースグレードの1.8X、1.5F/A18、A15に設定なし▲86:ベースグレードのGを除く
ちなみに、レクサスは全車標準装備だが、LXのみ諸元表にオートライトが確認できなかったのは、デイライトをフルLEDライトとともに標準装備しているゆえだろうか。
■日産
オートライトが標準装備されているモデルでは、フロントワイパー雨滴感応型の「インテリジェントオートライトシステム」を装備する。一部は薄暮れ感知「思いやりライト」機能を備えるのは、薄暮時での事故率が高まる旨を警察庁が発表したことの影響と思われる。
●オートライト標準装着車
エクストレイル、スカイライン、シーマ、フーガ、リーフ、セレナ、シルフィ、デイズ(ベースグレードのSでレスオプション設定)、Z/GT-Rは旧式のオートライトシステムを標準装備(GT-RはAFS付き)
■オートライト非装着車
▲マーチ:ベースグレードのSを除く
▲ティアナ:ベースグレードのSを除く
▲ジューク:ベースグレードの15RXシンプルパッケージを除く
▲キューブ:ベースグレードの15Xを除く
▲ノート:ベースグレードのSを除く
▲デイズルークス:ハイウェイスターのみで標準
■ホンダ
ホンダはLEDヘッドライト〈インラインタイプはハイ/ロービーム、オートレベリング機能〉とともにオートライトコントロール機構を設定。
●オートライト標準装着車
アコード、シビック、CR-V、ヴェゼル、オデッセイ、ヴェゼル(ハイブリッドと1.5Gはホンダセンシング非装着の場合、プロジェクター式ハロゲンヘッドライトとともに設定)、NSX、S660、N-BOX、N-WGN、レジェンド
なんといっても、標準装備しない場合のオプション設定などの複雑さが、ホンダの特徴といえる。
■オートライト非装着車
▲シャトル:ハイブリッドX/Gで標準、ハイブリッド/G(1.5L)でメーカーオプション
▲フィット(現行車):FグレードでLEDヘッドライトとしてメーカーオプション。ベースグレードの“ハイブリッド”に設定なし
▲フリード:GクロススターのLEDヘッドランプ装備車ではメーカーオプション▲ステップワゴン:GグレードのLEDヘッドライトはLEDがロービームのみとなり、オートライト機能はG・EXでは標準、Gはメーカーオプション。Bのマルチリフレクターハロゲンヘッドライト仕様では設定なし
▲ジェイド:ベースグレードのGを除く
▲グレイス:ハイブリッドDXのFWDには設定なし(マルチリフレクターハロゲンヘッドライト)、同4WDはメーカーオプションで用意。廉価グレードの1.5LXではメーカーオプション
▲N-VAN:“スタイル・ファン”でフルLEDヘッドライト(オートライト機能付き)が標準。マルチリフレクターハロゲンヘッドライト装備の“スタイル・クール”はオートライト機能付き、下位グレードのG/Lで設定なし
■マツダ
安全性能に力を入れるマツダではオートライト機能を全車標準装備。SUVではCX-5、CX-8ではフロントワイパー連動雨滴感知調整式付きとなる。
■スバル
オートライトはほぼ全車標準装備ながら、BRZのみ競技車両ベースのRA レーシング/Rグレードで設定なし。
■三菱自動車
eKスペースにはオートライトの設定がないが、他は全車標準。
●オートライト装着車
アウトランダーPHEV/アウトランダー、エクリプスクロス、RVR。D:5(含むアーバンギア、ガソリン車)、ミラージュ、eKクロス、eKワゴン、eKスペースカスタム、タウンボックス
●オートライト非装着車
▲eKスペース:設定なし
■ダイハツ
スマアシⅢのオートハイビーム、ヘッドランプ自動消灯システムあるが、オートライトを装備しない例がある。フルLEDヘッドランプはオートライト付きとなる。
●オートライト標準装着車
ムーヴカスタム、タント、タントカスタム、ロッキー、キャスト、トール
■オートライト非装着車
▲ミライース/ミラトコット:G“ SA Ⅲ”のみ設定
▲ムーヴキャンバス:ベースグレードのLを除く
▲ムーヴ:上級グレードのXターボとXに標準
▲ウェイク:ベースグレードのDを除く
▲ブーン:ベースグレードXとXのSAⅢを除く
▲コペン:設定なし
▲アトレーワゴン:設定なし
■スズキ
非設定グレードがある場合、標準仕様を上級、セーフティサポート車の実質2グレードとして、いっぽうにオートライトを設定しないパターンが多いことが気になる。
●オートライト非装着車
アルト(含むワークス)、ハスラー、エブリイワゴン、スペーシア(カスタム、ギア)、ラパン、スイフトスポーツ、ソリオ(バンディッド)、バレーノ、ワゴンRスティングレー、SX4 S-クロス、エスクード
■オートライト非装着車
▲ジムニー:上級グレードのXCに標準、中間グレードのXL/XG:セーフティサポート車に設定
▲ワゴンR:ハイブリッドFZに標準、FXは未設定(セーフティパッケージに付属)。ベースグレードのFAに設定なし
▲イグニス:上級グレードのハイブリッドMZに標準、MX/MGに設定なし
▲クロスビー:ハイブリッドMZに標準、MXは「セーフティサポートパッケージ」で設定
▲ジムニーシエラ:JCに標準、JLでは「セーフティサポートパッケージ」で設定▲スイフト:廉価グレードのXGリミテッドの「セーフティサポート」のパッケージレスのみ設定なし