高速道路の追い越し車線に居座り続ける迷惑車 なぜ追いつかれても先を譲らない不思議

高速道路の追い越し車線に居座り続ける迷惑車 なぜ追いつかれても先を譲らない不思議

 高速道路の追い越し車線を走っていると、流れに乗らず、後ろが詰まっているのにもかかわらず、ずっと居座り続けているクルマによく出くわす。おもむろにパッシングをしたいところだが、近年の煽り運転と受け止められかねないので、どうしたらいいものか?

文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock(トビラ写真:satoshi.o@Adobe Stock)

 ちなみに夏休みの高速道路のドライブのお供には『高速道路&サービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)ガイド2024-2025年最新版』が便利。こちらも参考にしてください!

■追い越し車線を走り続けること自体が違反

新東名120km区間。追い越し車線に居座り続ける軽自動車(takadahirohito@Adobe Stock)
新東名120km区間。追い越し車線に居座り続ける軽自動車(takadahirohito@Adobe Stock)

 2車線以上ある高速道路の追い越し車線をずっと走り続け、後ろからクルマが来ても譲るどころか、まるでブロックするように居座り続けるクルマが多いこと多いこと。筆者はアメリカ、欧州各国、北欧の高速道路を走ったことがあるが、追い越し車線を居座り続けるクルマがこれだけ多いのは、日本だけの特徴といえるかもしれない。

 なかには追い越し車線を走り続けていても法定速度を守っているから何が悪いんだと主張する人もいるだろう。これは大きな間違いだ。そもそも追い越し車線を走り続けること自体が「通行帯違反」に当たるからだ。

 道路交通法では、「車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければいけない」と明記されており、通常は走行車線を走り、追い越し時には追い越し車線を使って前走者を追い越した後、走行車線に戻るのがルールなのだ。

 追い越し車線を走り続けると、例え法定速度以内であっても、「通行帯違反」となり、違反点数1点で反則金6000円が科せられる。ではどれくらい追い越し車線を走り続けると捕まるかだが、おおよそ2km程度が目安となっている。

 2024年6月28日、チューリッヒ保険会社が「2024あおり運転実態調査」を発表した。興味深い内容だったので引用させていただいた。

 遭遇したあおり運転については、「激しく接近し、もっと速く走るように挑発してきた」が76.5%と最多となり、続いて「必要のないハイビームをされた」が22%。また、あおり運転をされた際にとった行動としては「道を譲った(44.3%)」「何もしなかった(32.5%)」と、あおり運転をやり過ごしたドライバーが目立つ結果となった。

 驚いたのは、あおり運転をされたきっかけについて、思い当たることがない人が76.3%と想像以上に多かったこと。「思い当たることがある」と答えた人にきっかけと考えられる運転行動を聞いたところ、「制限速度で走っていた(26.3%)」「スピードが遅かった(17.9%)」と続き、あおり運転のきっかけと考えられる行動は、運転速度に関するものが多い結果となったという。

 このアンケート結果を見てみなさんはどう思いましたか? 「あおり運転をされたのに思い当たることがない人は76.3%」とあおり運転をされた理由がわからない、理由に気づいていないという人がこれだけいるのには驚かされた。どれほど鈍感なのか、鈍感だからあおられるのか……。

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