■路線バスも走ってます
続いてシャトルバスに当てはまらない公共交通機関に注目してみると、観光客はあまり使う機会がないかも知れないが、実は一般路線バスと言える乗り物もちゃんとあって、8路線ほどが運行している。
路線バスの運営事業者はGRTA(グアム地域輸送公社)。白地と波をイメージした青にボディを塗り分け、側面と後ろにGRTAと書かれている、トラックのような形をしたクルマが路線バスにあたる。
「ブルーライン」や「レッドライン」のように、路線(系統)を色分けで表しているのも特徴。運賃は1乗車1ドル50セント均一、1日乗車券が4ドルとのこと。
観光用シャトルバスとは対照的に、路線バスのほうは地元民向けといった存在感を放ち、利用にあたっては多少の英語力が試される。
■日本にはないバスが!!
バスが主体になっているグアムの公共交通機関。ここで車両に少し注目してみると、定員20〜30人くらいの、日本で言うマイクロバスくらいのサイズのクルマが、路線バスでも送迎バスでも、各運行事業者でまんべんなく使われている印象を持った。
ピックアップトラックの後ろに客室を載せたようなスタイルで、言うなればボンネットバスだ。日本にはもうないスタイルのバス車両が、アメリカでは今も現役で活躍中とも取れる。
車種を確認してみると、極めてポピュラーと見られるのがフォードE450(スーパーデューティー)だ。
このクルマは運転席キャブから後ろを自由にアレンジできる構造で、バスやトラック、救急車、キャンピングカー等々、用途に応じて色々なタイプに化けるのが特徴。
最近のモデルは7.3リッターV8ガソリンエンジンを搭載。ガソリン車のバスという点でも、日本のバス車両事情と照らし合わせると珍しく感じる。乗り心地は静かで悪くない。
バス仕様のE450は、客室部分(上回り)を別のメーカーが手がけているものがあり、グアムで走行していた同タイプの車両では、スタークラフト・バス社が架装したモデル(MVPシリーズ)が目立った。
常夏の島グアムでの移動にレンタカー以外の足を頼るなら、タクシーや送迎バス、ツアーバス、シャトルバス、語学力に不足ナシと思ったら路線バス、といったあたりから選べる。
ただし、タクシーを除き島全体を網羅している公共交通機関はないため、どうしても限定的な移動手段に留まってしまうのはやむを得ないところか……。
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