電車/バス交互乗り継ぎ旅! 三重県通過ならあの長距離路線バスが最有力……だったはずだけど!?

■乗り換え2回で大移動

 バスの時間が近づき、松阪駅前のバスターミナルへ今一度足を運ぶと、車体に「熊野古道ライン」と書かれた大型路線車(いすゞエルガハイブリッド)が待機レーンに停車していた。専用車が使われているのは3往復時代と同じであった。

「熊野古道ライン」の文字が入った専用車が待機中
「熊野古道ライン」の文字が入った専用車が待機中

 7人ほど乗せて時刻通りにバスは出発。今回は特に終点まで行く理由もなかったので、途中の熊野市駅で降りようと決めた。といっても熊野市駅は限りなくバスの終点に近い場所ゆえ、4時間以上の超ロングライドになる。

 一度通ったことのある道とはいえ、逆向きだと見える景色も新鮮。紀勢本線の線路に寄ったり離れたりを繰り返しつつ、郊外のおしゃれな商業リゾートVISONを経由しながら、豊かな自然に囲まれた景色の中を進んでいく。

道の駅がトイレ休憩スポットになっている
道の駅がトイレ休憩スポットになっている

 所要時間が長いだけあって、途中の「道の駅 奥伊勢おおだい」と「海山バスセンター」でトイレ休憩がある。基本は緑の多い場所を通る山系路線と言えるかもしれない。

2回目の休憩地が海山バスセンター
2回目の休憩地が海山バスセンター

 とはいえ、高度を稼ぎ山深い峠道を越えたと思えば、限りなく海に近づいたりと、景色の種類ではかなり具沢山なところも熊野古道ラインの楽しさ。やっぱり乗って正解だった。

山あり、海あり、トンネルあり
山あり、海あり、トンネルあり

 気づけばスッカリ日も暮れて、長いはずの4時間がスルスルと過ぎていた。14時に松阪駅を出て、熊野市駅前に着いたのが18時過ぎ。

長くも楽しい路線バス旅を堪能
長くも楽しい路線バス旅を堪能

 まだ進もうか少し考えたが、熊野古道ラインに魅了されまくった余韻に浸ろうと、この日は三重県内に留まって熊野市泊まりにした。

■え! 廃止だったの!?

 駅からすぐ近くのビジネス旅館に泊まった翌朝、熊野市駅前のバス停を観察したところ、ある張り紙が目に留まった。

「松阪熊野線〜3月31日(月)の運行をもって、運行を終了します。」

衝撃の事実
衝撃の事実

……え? そうだったのマジか!? 減便したのは恐らく終焉へのワンクッションだとは薄々察していたものの、廃止されるのが2025年の、しかも3月。そんなに直近(訪問時点の約1ヶ月後)の話だったとは想像すらしなかった。あぁまたオイシイ路線が失われてしまうのか……。

 今回の電車/バス交互乗り継ぎチャレンジでは物凄く重宝した熊野古道ラインも、たまたまギリギリ間に合った作戦だったわけか。4月以降やるなら、バスと電車の順番を入れ替える必要がありそう。

 次はいよいよ96時間目が迫る。海に沿うか山を突っ切るか究極の選択!?

【3日目の行程】
【バ】ホテル→(送迎サービス)→鳥羽駅
【電】鳥羽→(近鉄特急)→松阪
【バ】松阪駅前→(三重交通 松阪熊野線)→熊野市駅前

・運賃合計:3,930円
・乗車時間:287分
・移動距離:166km

【交互乗り継ぎ基本ルール】
(1)各種公共交通機関を、種類が連続しないよう乗り替えながら移動
(2)乗っている列車やバスが終点に着いた場合、必ず別種の交通機関に乗り換える。途中で降りるのは自由
○:電車→バス→電車→バス→電車…
×:バス→電車→電車→バス→バス…
(3)電車で同じ駅を2回通ってはいけない
(4)ホテル等の送迎サービスとタクシーは「バス」に含める
(5)船(リセッター)利用可。ただし船→船への乗り継ぎはNG
(6)徒歩移動は最後に利用した交通手段の延長線上
(7)新幹線は1日1回のみ利用可・距離100.99kmまで
(8)送迎とタクシーは合わせて1日1回のみ利用可・距離9.99kmまで
(9)初電→終電・初バス→終バス みたいなのは忙しないのでよしとこうや
(10)デジタルガジェットのフル活用可・ただし絶対にメモを取ってはいけない

【利用できない乗り物】
高速バス、夜行列車、飛行機、距離100.00km以上の航路

【画像ギャラリー】三重交通 熊野古道ライン最後の活用(14枚)画像ギャラリー

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