広島市のバスは運賃の決済手段が入り乱れ、地元の人は使い分けで何とかなったのだろうが、旅行者にはなかなかわかりにくい状況になっていた。バスだけではなく路面電車もあるのでなかなか厄介だったが、ひとまずは全国のICカード乗車券が使用可能になった。本稿では広島駅から広島のパワースポットである白神社を訪ねてバスと電車で往復してみた。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)
■広島駅のバスターミナル
新幹線で広島駅に到着すると、改札コンコースと同じフロアに広島電鉄が乗り入れている。この模様は別稿で記事になっているので参考記事から参照されたい。バスターミナルは改札コンコースフロアから下に降りていくとそこにある。
広島駅で荷物を預けようと思ったのだが、コインロッカーの絶対数が足りないのか、バスターミナル通路に併設のロッカーまで見たが空きは1つもなかった。観光都市なので仕方がない面もあるが、結構な人がコインロッカーを求めてさまよっていた。
電車でもバスでも行けるのだが、比較的乗客が少なくほぼ座れるバスを最初に選ぶことにした。コインロッカーが空いていれば広電電車にしただろうが、そういう点でもバスは旅行者の第一選択肢にはなりにくいので便利だ。
広島駅から広電バスのエキまちループ102系統に乗り、「白神社前」停留所で下車した。電車であれば袋町停留場が最寄りである。バスは乗車時に整理券を取り、下車時にICカードであることを運転士に伝えて端末にタッチして決済する。
運賃箱にICタッチする読み取り機が付いている見慣れたものではないので、ICカードである旨を伝えるひと手間がかかるものの、さほど面倒ではなかった。バス停で広電バスを見送り、平和大通りを渡り神社に到着する。
■白神社
白神社は「しらかみしゃ」と読む。広島市内の多くの神社と同様に被ばく神社で、壊滅した後に規模を縮小して再建された歴史を持つ。爆心地から約600メートルの位置であることから同社の紙記録は地下に退避させておいたものを除いてすべて焼失してしまった。そのためかどうかは分からないが、創建をはじめとする由緒は不明である。
ただし、白神社の社号の由来はあり、周辺が海で岩礁が多かった時代に岩の上に白い紙を立てて海難を防ぎ今でいう灯台の代わりをしたことから、これが信仰の対象となり、白紙から白神になったという。
狭い境内の中に拝殿と本殿が縦方向にある都市型の神社で、階段を上り拝殿の前に立つスタイルだ。社務所兼授与所は拝殿の中にあるのは珍しいスタイルである。
白神社のすごいところは、拝殿の前に立ち参拝をする際に中から職員が大幣(おおぬさ)を振って全員にお祓いをしてくれることだ。大きな神社で授与所の巫女が何かを授与する際に巫女鈴を振ってお祓いをしてくれるじんじゃは稀に見るが、拝殿の中から職員が大幣を振ってくれる神社は初めてだ。
御朱印を授与してもらいたい旨を告げると、拝殿の中に通してくれるので中に入る。同社の授与品には立派な金幣(きんぺい)があり記者は毎年授与してもらうが、なかなか大きいので持って帰るのに一苦労する。それほど立派な金幣だ。
主祭神は菊理媛神(ククリヒメ)、伊弉諾尊(イザナギ)、伊弉冉尊(イザナキ)の三柱である。ククリヒメはイザナギとイザナキが黄泉平坂(ヨモツヒラサカ)で喧嘩した時に何か一言を申して争いを納めた女神で、それ以外に記紀には登場しない不思議な神様である。「何か一言」は明らかになっておらず、ひと言で犬猿の仲になりそうだった夫婦の争いを納めたことから、縁結びの神様として信仰を集める。










