■さぁどうするかね
案の定というか、通常通りというか、新橋駅からの乗車は件の常務一人だけで、始発停留所を発車することになった。いずれにせよ、夕方の時間帯に差し掛かろうとしているので、途中停留所での乗降は多く小型車ではパンパンになるだろう。
それよりも、添乗監査なんて経験がないのでどうすればよいのか。常務がどこで下車するのかもわからない。むしろそんなことを考えるよりも、普段通りに運転してそれを見てもらう方が監査としての効果があろうというものだ。
そこで、覚悟を決めて(普段よりは)気を付けつつ、いつも通りの運転と案内や接客を行い、自信を持って運転することに決めた。決めたからにはあとは普段通りである。常務が乗っていようがいるまいが関係ない。早発だけはしないようにと思っていたのだが、乗客が増えるごとに最大3分の遅れが生じていたので、結果として早発の心配は無用だった。
■終点到着!
ちなみにフジエクスプレスでは遅延については一切のお咎めや言及はない。法令で禁止されている早発さえしなければ遅延は仕方がないし、むしろ急ぐことによる事故誘発のリスクを避けるためにも遅延は気にしないようにと言われる。
よって3分遅延したまま終点のみなとパーク芝浦に到着したが、結局常務は終点まで乗車していた。交代のために下車した記者に常務は「後日、監査結果を書面で運行管理者を通じてお知らせします」との言葉を残して添乗監査は終了したようだった。緊張しなかったと言えばうそになるが、結果はどうであれ自信を持って普段通りの運転をすると決めて挑めんだので悔いはない。
■なぜ記者が選ばれたのか?
後日の勤務日で、到着点呼の際に件の書面が手交された。なるほど、こういう仕組みになっていたのかと思いつつ、評価結果を見た。道路交通法上問題がないと言われたが大きな指摘事項が2点、そして基準外の評価事項が1点あり、指摘事項は再認識するとともに評価事項には素直によろこんだ。
さて、なぜ記者の便が監査対象に選定されたのか後日、常務に直撃してみた。常務の回答は「いやー、よく考えたら古川さんの実車に乗ったことがなかったと思いましてね。ちょうどその日の仕業を見ていると古川さんが乗務していたので、ダイヤを見てそれに合わせて組みました」記者「それだけですか?」常務「はい、それだけですが?」
実際には定期的に監査を実施してまんべんなく多くの運転士の運転を監査するのは分かっているのだが、そういう決め方は勘弁してくださいよ~、という笑い話で終わった。よって、記者がやらかしたとか、苦情が殺到していたとか、危険でヤバいやつとか、そういう理由ではなく多くの運転士を監査する中の一人だったということで万事解決だ。
どの事業者でも運転士に対する監査というのは形は異なれども実施しているのだろうが、いつ乗り込んできても自信を持って運転できるように普段から安全運行には努めたいものである。そして乗客となる読者の皆さんには、運転士は社員であろうがバイトであろうが等しく定期的に運転のチェックを受けていることを知っていただき、安心して乗車していただければ幸いだ。
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