■内宮参拝後のお楽しみ
内宮前に到着したバスは、しばらく待機して次の便で折り返していくのだが、臨時便は地上職員の無線指示により配車されている時間帯もあり、乗客がたまりそうであれば随時待機しているバスを出してくるような運用に見えた。
長年の経験とデータの蓄積で三重交通はノウハウを持っているので、定期便の間に乗客の数を予測して地上職員が無線でバスを呼び、並んでいる乗客には先発バスの行先や停車停留所を入線前に案内できる。
神宮周辺には伊勢市、宇治山田、五十鈴川と3つの鉄道駅があり、いずれも近鉄は特急停車駅だが、JRが乗り入れるのは伊勢市駅のみだ。よって三重交通も伊勢市駅をターミナルと位置付けて、伊勢市駅を中心に輸送しているように見えた。
■おはらい町・おかげ横丁
内宮参拝を終え、宇治橋を戻り、おはらい町に入る。観光のメインストリートで、お土産品はもちろんだが、買い食い(食べ歩き)をする観光客が多く、それだけ多くのフードが並んでいる。
おはらい町の通りは内宮の宇治橋から猿田彦神社近くまで概ね2停留所分を歩くことになるが、何となく自然に左側通行が慣例化しているように見える。つまり宇治橋から歩き左側の商店を重点的に見て回り、折り返すときには反対側の店を見て回るといった一方通行具合が定着している感じだ。
■トリはエルガデュオ!
おはらい町やおかげ横丁を散策した後に近鉄のダイヤを見計らいながら内宮前バス停に向かうと、ほぼ定員の乗客を乗せたエルガが出た後だった。次は何が来るのかと待っていると、後方に停車していたエルガデュオが「特急 外宮前」のLEDに切り替わり入線してきた。
午前中に女性運転士が案内していた内宮前から伊勢市駅前を経由して外宮まで行く臨時バスだ。途中で神宮会館前と猿田彦神社前に停車するが、その後は伊勢市駅前までノンストップだ。しかも宇治山田駅前にも入らないので、もっとも早く近鉄・JRのどちらにも接続できる路線である。
多少の渋滞は覚悟していたが、それよりも帰りの観光客が各停留所で長い列を作っており、連節車であるエルガデュオが立席を含めて満杯になる盛況ぶりだった。この乗車に時間がかかるのは仕方がないだろう。
そして伊勢市駅前では、後払い前降りのためほぼすべての乗客が1つのドアから降りることになる。これに多くの時間を要するので、鉄道の乗り継ぎがシビアな場合はバス前方に乗車したほうがいいだろう。急ぎでなければ後方でゆっくり座っていればいいのかもしれない。
外宮以外はバスがないと移動しにくい位置関係の中で、しかもセット参拝が基本の神宮では三重交通の臨時バスが数多く走り観光客の便を図っていた。通常の土日を利用して出かけても、通常ダイヤの路線バスを待つことなく、三重交通が波動輸送をしているので安心だ。
【画像ギャラリー】三重交通の神宮輸送は通常の土日でも行われている?バンバン出る臨時バスでスムーズな参拝をサポート!(11枚)画像ギャラリー