アーチオンへの統合が1ヵ月後に迫った日野自動車と三菱ふそうトラック・バスだが、公正取引委員会は2月26日、この経営統合について独占禁止法上の排除措置命令を行わない旨の通知を行なったことを発表した。アーチオン始動のカウントダウンが正式に始まったことになる。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/公正取引委員会、フルロード編集部、三菱ふそうトラック・バス、日野自動車、トヨタ自動車、鴻海精密工業
独禁法に抵触しない「措置」の実施が条件
アーチオンの大株主となるダイムラートラックとトヨタ自動車は、日野と三菱ふそうの経営統合に向け、独占禁止法に抵触しないための措置を策定、公取委に提案していた。今回の通知は、公取委がそれらの措置を実施することを条件として、経営統合を認可したものとなる。
アーチオン傘下となる2社にトヨタ単独を加えた3社では、国内小型トラック市場シェアが約60%に達し、同小型観光バス市場では事実上の独占状態となる。そのためトヨタについては、アーチオンの経営に対する影響力を減ずる(議決権の引き下げ)と同時に、人事的な交流やセンシティブな情報の共有を行なわないこととした。
また、同大型トラック市場と同大型観光バス市場では、シェアを2分することになる国産他社グループと協調的行動(カルテル・談合など)が生じる可能性を避けるため、アーチオンが競争相手であるスウェーデン・スカニア社の販売およびアフターサービスを支援することとし、公正な競争環境を維持する。
大型観光バスについては、スカニア製シャシーに日野が開発したバスボディを架装した新製品を、ジェイ・バス(日野といすゞ自動車の合弁バス車体メーカー)で生産することも明らかになった。
同中型トラック市場も同様だが、三菱ふそうでは自社オリジナルモデルの生産を終了し、日野からのOEM供給モデルを後継車とする計画になっている(後述)。
この中型トラックOEMを含む新車販売において、三菱ふそうグループと日野グループの競争関係を保つべく、両社のメーカー直営ディーラーが存在する地域では、一方を独立系ディーラーとする。こちらは昨年12月、日野販社である東北海道日野、北海道日野、宮城日野、福島日野、南関東日野の経営権を台湾の自動車販売会社・和泰汽車に、静岡日野の経営権を愛知日野自動車に、それぞれ移管することを発表済みだ。

