トヨタ、ダイハツ、日産&三菱のCVT詳細
元記事に戻る【ガラパゴスCVTの憂鬱】なぜCVTはATに代えられないのか?
■CVTとATの長所と短所
最後に改めて、CVTとATの長所と課題を挙げたので読んでいただきたい。
■CVT
●構造上の特徴
1対のプーリーに金属ベルトを配置し、プーリの幅を変化させることで、ベルトの巻きかけ半径を変化させて減速比を連続的に変化させる。
●長所
構造がシンプルで軽量。変速時に駆動力が途切れないシームレスな変速を実現。変速比が大きく、巡航時の燃費性能が高い。
●課題
摩擦で駆動力を伝えるため、歯車より駆動損失は大きい(85%前後)。ベルトを挟み込むため、高い油圧が必要になる。停止直前には、発進時に備えて減速比を大きくしておく必要がある
■AT
●構造上の特徴
遊星歯車機構を制御することで変速する。歯車それぞれに多板クラッチを配置し、変速時に段階的に切り替え、スムーズな変速を実現する。
●長所
多板クラッチをスムーズに切り替えることでシームレスな変速を実現。トルクコンバーターのロックアップ領域を高めたことで駆動損失を抑えた(90%前後)。変速は副変速機的に利用できるため多段化に有利。多段化により変速比は非常に大きい。
●課題
変速機の中で内部構造が最も複雑。多段化が進んでおり、構造は複雑化している。質量増やコスト高になっている。