北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。第8回は、エゾリスです。
リスというと、思い浮かべるのは、ディズニーのキャラクター・チップ&デールのような、背中に縞模様がある小柄なシマリスかもしれませんね。
北海道にも、エゾシマリスがいますが、道民が目にしたことがあるのは、圧倒的にエゾリスのほうが多いんです。
ぶさかわと言ってもいいエゾリスの素っとぼけた表情を捉えた圭さんの貴重な写真を、とくとご覧ください。
写真・文/佐藤圭
北海道の森を育てるえらい動物
エゾリスは、北海道中の里山から深い山奥の森まで、広範囲に生息しています。
札幌の円山公園にも出没するようですから、よく見かけるという意味では、キタキツネに次ぐ北海道を代表する野生動物と言っていいかもしれません。
その仕草も表情もかわいいからでしょうか、ファンも多くて、北海道日本ハムファイターズのマスコットキャラクターにも使われています。
エゾリスは、基本的には木の上で暮らしています。たまに木の実などを隠すために地面に降り立ちます。
冬眠はしないので、実りの秋に木の実を集めて色々な場所に隠しておいて、エサが少ない冬の間、それを掘り起こして食べるんです。冬の北海道は一面雪に覆われます。何十センチも積もった雪を掘って見つけるんですから、たいしたものです。
たまに、埋めた場所を忘れることもあるようです。その忘れられた木の実は、春になると芽を出して樹木に成長します。エゾリスは、森を育てる重要な役目を果たしているんですね。
厳寒の北海道で、冬眠をしない動物たちは、身を守るために暖かい冬毛に生え替わります。キタキツネやエゾタヌキは、身は痩せていくのに冬毛のためにモコモコに見えます。
エゾリスも冬毛になると、耳の毛が長くなって、一見ウサギのように見えます。
桜の咲く頃と夏の二度、子育てをします。4~6匹ほどの子供を産みますが、天敵も多いため、大人になれるのは少数です。
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。フランスのアウトドアブランド「MILLET」アドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
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