自販連によると、2024年の乗用車ブランド通称名別順位で、第1位となったのは、トヨタ「カローラ」(166,956台)だった。しかも対前年比で107.8%と、約8%も販売が増えての結果だ。
このカローラの好調を支えているのが、シリーズ唯一のSUV「カローラクロス」だ。カローラの販売台数には、カローラクロスのほか、セダンの「カローラ」とステーションワゴンの「カローラツーリング」、そしてハッチバックの「カローラスポーツ」と「GRカローラ」、そして先代から販売が継続されている「カローラアクシオ」と「カローラフィールダー」という、計7車種の販売が含まれるが、販売台数の実に55%がカローラクロスとのこと。
台数にすると、2024年は9万台以上の販売となり、これはミドルクラスSUVとしては圧倒的な販売といえる。カローラクロスはなぜこれほど人気があるのだろうか。
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:TOYOTA
【画像ギャラリー】カローラ販売の過半数を占める爆売れSUV トヨタ「カローラクロス」(10枚)画像ギャラリーサイズ感が超絶妙!!
カローラクロスのボディサイズは全長4,490mm×全幅1,825mm×全高1,620mm。ミドルクラスSUVに分類されるサイズ感だが、同じくミドルクラスSUVである同社の「RAV4」(4,600×1,855×1,685)や「ハリアー」(4,740×1,855×1,660)、そして日産の「エクストレイル」(4,660×1,840×1,720)よりもコンパクト。
ただ、ライズ(3,995×1,695×1,620)やヤリスクロス(4,180×1,765×1,590)よりも大きいため、ファミリーカーとしても十分使用できる室内空間とラゲッジスペースを持ち、それでいて駐車のしやすさや取り回しのよさも持ち合わせているという、なんとも絶妙なサイズ感。「一般的なミドルクラスSUVは大きいけど、コンパクトSUVでは物足りない」というユーザーにとって、まさにジャストフィットなサイズ感なのだ。
最大の魅力は圧倒的なコスパのよさ
ただ、カローラクロスの最大の魅力は「コスパのよさ」だろう。たとえば1.8Lのガソリンエンジンを搭載するエントリーグレード「G X」なら218万4000円から、スタンダードなGグレードでも241万円からという価格で購入することができる。ハイブリッドが欲しい場合でも、Gの2WDで276万円からと、相当に買いやすい価格だ。
ボディサイズで比較すると、直接的なライバルはホンダの「ZR-V」となるが、ZR-Vはガソリンモデルでも価格は320万8700円からとなるし、ひとクラス落として「ヴェゼル」にしたとしても、ガソリンのエントリーグレードで264万8800円。日産の「キックス」はハイブリッド(e-POWER)しか選べないため308万3300円からという価格だ。
この価格で、長年日本の乗用車市場を牽引してきた安心の「カローラ」ブランドのクルマに乗ることができるわけだ。ハイブリッドシステムも燃費性能、運動性能、静粛性など、総合的に魅力が高い。トヨタ、そしてカローラという圧倒的な安心感に包まれながら、信頼性の高いメカニズムと装備を堪能できてライバルより安いなら、売れないはずはない。しかもカローラクロスは海外市場からのニーズが高く、残価率がアルファードやヴェルファイア並み(2025年3月時点)。これも販売を押し上げている要因だろう。
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