日本でアメ車が売れていない。今社会問題になっている話題ではあるが本当にそうなのだろうか。実は過去を遡ると、日本でも人気を集めていたアメ車が存在。理由を調べていくと、日本人に対しての配慮があった!!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】レトロテイストにウットリ!! 今でも売れそうなPTクルーザー可愛すぎるからじゃんじゃん見て!!(6枚)画像ギャラリーレトロな雰囲気が魅力のPTクルーザー
アメリカのトランプ大統領が日本でアメ車が売れないのは、アメ車にとって不公平な障壁を作っているからという理由で関税措置を検討しているというニュースが入ってきた。
しかしアメ車が日本で売れないのは日本人に受けるモデルが存在していないというのが根本にあり、過去にはアメ車ながらスマッシュヒットを記録したものも存在していた。その1台が2000年に日本でも販売を開始した「クライスラー PTクルーザー」である。
1930年代に存在していたクライスラー エアフローをモチーフとした個性的なスタイルが特徴のPTクルーザーは、2000年7月に日本での販売を開始した。
見た目はレトロさとモダンさを併せ持つ独特のスタイルとなっていたが、実は実用的な5ドアハッチバックボディを持っており、立体駐車場にこそ入らないものの、1600mmという高めの全高と、そもそもアメリカ人が乗ることを前提に開発されていたことで広い室内空間を誇っていた。
また内装も特別質感の高いものではなかったが、ボディ同色のパネルを備えたり、クラシカルな4本スポークステアリングにホワイトメーターを組み合わせたり、エクステリアのデザインと調和のとれた仕上がりとなっていて、右ハンドル仕様となっていた点も日本で歓迎された要因のひとつだった。
心臓部には2Lの直列4気筒エンジンを採用。アメリカでは2.4Lを搭載していたが、ここも日本市場を見越して、自動車税区分に合致したエンジンを採用していたのである。
そして何より日本のユーザーの心を掴んだのが、230万円というスタート価格だ。輸入車=高いというイメージが強かったところに、日本車プラスαくらいの金額で購入でき、日本車にはない個性を持ったPTクルーザーは多くのユーザーの心を掴んだのだ。
カブリオレも人気を博し右ハンドル仕様も設定!!
そんなスマッシュヒットを記録したPTクルーザーは、定期的に改良や特別仕様車などをリリースして話題を提供し続け、2004年7月にはオープンモデルのPTクルーザーカブリオを追加。
このモデルは電動ソフトトップを備えたもので、ボディ剛性を確保するためにオープン時にもBピラーの残るスタイルとなっていたが、それもレトロ感を強調するものとなっていた。
さすがにオープンモデルは台数が出ないと踏んだのか、左ハンドルで2.4Lエンジンとほぼアメリカ仕様に近いものとなっていたが、思いのほか反響があったのか、同年10月には通常モデルも2.4Lへ排気量を拡大。さらに223PSの出力を誇る2.4Lターボエンジンを搭載した「GT」も追加された。
さすがにGTは日本のユーザー層とはアンマッチだったこともあって早々に姿を消したが、カブリオは根強い人気を誇り、2007年7月には通常モデルと同じく右ハンドル化がなされている。
結局PTクルーザーは本国での生産終了まで日本での販売が続けられ、2010年4月には、有終の美を飾る「ファイナルエディション」をリリースして終売となった。
このように日本でスマッシュヒットを記録したPTクルーザーだが、その最大の要因は日本のユーザーにマッチする改良などを絶えず行ってきたという点に尽きるだろう。
いくら魅力的なモデルだとしても、実際に購入するユーザーのことを考えずに導入しただけでは多くの人に愛されることは難しいのだ。









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