クルマとは移動手段であると同時に、濃く深い「文化」だ。自動車評論家の小沢コージ氏は、文化としてのクルマにどっぷりと浸かるには、やはり最初に本物を味わうのが大切だという。そんな意味も込めて、小沢氏が子どもたちに薦めたい一台とは!?
※本稿は2025年3月のものです
文:小沢コージ/写真:スズキ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年4月10日号
小沢コージが「子供 or 孫」に薦めるのは……スズキ ジムニーシエラ
クルマは人類が誇る道具であると同時に文化であり、ぜひ子どもたちにはいい出会いでハマってほしい。で、趣味はなんでもそうだがハマる一番のきっかけは感動。
それを味わうためにはなるべく「本物」を味わっていただくしかない。お酒だってそうで、最初は旨い一流の酒がいい。クルマとしての美しさ、道具感、質感、走りのよさ。それは金額じゃない。なるべく「濃い」クルマにまず乗るべきなのだ。
となると今買えるベストのひとつはジムニーだ。その徹底的に煮詰められた無駄のない機能美、選び抜かれた装備、本物のクロカンならではの独特のステアリングフィール、味は薄めだけれどタフなエンジン(笑)。
正直、その真価を味わうためには普通の街なかでは物足りなく、なるべく過酷な山道であり雪道に行ってほしいところだが、それでもほかの味の薄い軽自動車にはない本物の手応えがある。
正直うるさめだし、質感も高くないが、ヘタすると階段でも登れる。こんな不思議な凄いクルマはほかに絶対にないと言っていい。
もちろん友だちも乗せて楽しむと感動をより深く味わえるはず。よってノマドもいいが正直待ちが長すぎてツラい。その点シエラなら少し早めに買えるはずだ。


















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