転売しません「誓約書」は完全撤廃? スズキはジムニーノマドで続行? 誓約破って転売したらどうなるのか?

転売しません「誓約書」は完全撤廃? スズキはジムニーノマドで続行? 誓約破って転売したらどうなるのか?

 近年は新車の納期が長いことから、即納される中古車が高騰。人気車においては新車を買ってそのまま下取りに出すことで利益が出る場合が多く転売ヤーも多く存在する。一方で販売店も転売防止策を練ると共にコーティングの抱き合わせ販売を行うなど、新車購入する際には売り手も買い手も問題点は多くある状況が続いている。

文:加藤久美子/画像:トヨタ・ホンダ・スズキ

人気車のランクルなどは転売防止の誓約書に加えて、購入にあたりコーティングやローンを強制させられるケースもある
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「転売しません」の誓約書とは?

人気車のランクルなどは転売防止の誓約書に加えて、購入にあたりコーティングやローンを強制させられるケースもある
人気車のランクルなどは転売防止の誓約書に加えて、購入にあたりコーティングやローンを強制させられるケースもある

 近年、ランドクルーザーやアルヴェル、シビックタイプRやジムニーなど長納期の人気車種を新車で買った際に「(納車から)1年は転売しません」という、いわゆる「1年縛り」の誓約書を書いた人は少なくないだろう。

 誓約書だけではなく、コーティングの施工やディーラーローンでの購入、メンテナンスパックなどを必須とし、条件に応じない場合は「販売しない」という強硬な姿勢で客と対峙するディーラーも存在している。現金一括で購入しているのに、最低1年間はディーラー名義にすることを前提として誓約書にサインさせていたディーラーもある。

 このような中、2024年12月以降、1年縛りを撤廃するディーラーが増えてきているのをご存じだろうか。SNSにも「転売や輸出目的ではない事を確認する書類はあったが1年縛りについては何もなかった」などの投稿がちらほら増え始めている。

 いったい何が起こっているのか? 取材を進めるうちにこの動きは昨年11月15日に自動車公正取引協議会(以下、公取協)からリリースされた「新車の不適切な販売方法について」という【注意喚起】が大きく関わっていることがわかった。

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2024年11月15日の公取が出した「注意喚起」に注目!

昨年11月15日に自動車公正取引協議会から新車の販売方法に関する注意喚起が公開された
昨年11月15日に自動車公正取引協議会から新車の販売方法に関する注意喚起が公開された

「1年縛り」は長納期となる人気車種の購入では当たり前のように扱われてきた。他にもメンテパックやコーティング施工を必須とすることなども疑問を持つ人は少なく、人気車種だからしょうがない、とにかく注文できるだけありがたいなどと受け入れていた人もいただろう。

 しかし、これらの販売条件に関してはユーザーから多数の苦情相談が寄せられ、中にはコンプラ違反の可能性もあることが公取協の注意喚起で明らかにされたのだ。簡単にまとめるとグレーな販売条件は以下となる。

 1.現金一括で購入しているのに最低1年間は所有権をディーラーに留保する(所有権がディーラーにあれば転売は不可能)

 2.オプション装備、コーティングやメンテナンスパックなどを販売の必須条件にする(抱き合わせ販売として独禁法で禁止されている)

 3.ディーラーが代理店になっている任意保険へ加入すれば、ローン金利を下げる、値引きをするなどの便宜をはかる。(保険加入で契約者に特別利益を提供することは保険業法で禁止されている。)

 4.残クレ方式&ディーラーローンを組んで購入する。(ディーラー管理が可能な名義にすることで転売を防止する)

 5.現在の所有車は下取り車としてディーラーに入庫する。(一般的に買取よりも下取りのほうが売却価格は安くなる。ディーラーの利益として充当)

 また、下取りあり、残クレ、メンテパック、ボディコーティングなど客が了承した項目が多いほど納期が優先される、または抽選に当たる確率が高くなることを告げて販売するディーラーも存在していた。誓約を破って転売した場合には、ディーラー出禁とすることが記されているが、公取協によると「出禁」については「売る側にも客を選ぶ権利がある」ので違法性はないとのこと。

 首都圏のとあるホンダ販売店の営業担当者は以下のように話してくれた。

「昨年12月の終わりに届いたシビックタイプRのレーシングブラックエディション(RBE)の案内に書いてありました。客に誓約書を書かせては駄目ですと。とくに2年前(タイプR○○の販売時)の誓約書を使うのは厳禁とのことでした。

 メンテパックをつけないと売らないというのも厳禁。うちはもともとそんな売り方はしていませんでしたが、連結販社以外の全販売店に案内があったようですね。転売されて海外に輸出されることを極力避けたいということです。

 もう10年以上前ですがヴェゼルの初期型が大量に転売されて海外に行ったことがあり、その時の対応がリコール対応など含めて大変な事態になったと聞いています。」

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