長年にわたってスバルの主力を担ってきたレガシィがその役割を終え、2025年3月のレガシィアウトバックの販売終了をもって姿を消すこととなった。1989年の初代登場からのレガシィの功績を片岡英明氏が振り返る。
※本稿は2025年4月のものです
文:片岡英明/写真:スバル ほか
初出:『ベストカー』2025年5月10日号
走りと安全を武器に支持を受けたレガシィ
21世紀に向けて新しいスバルのクルマ像を模索し、1989年に鮮烈なデビューを飾ったのがレガシィだ。エクステリアデザインだけでなく、プラットフォームからパワートレーンまで一新し、それまでのファミリーカーとワゴンの殻を破っている。
主役を張ったのはツーリングワゴンだ。低重心の水平対向エンジンとシンメトリカルAWDを武器に、安全で気持ちいい走りを披露した。特にターボ搭載車は刺激的な走りを見せている。燃費に目をつぶれば、これほど運転して楽しいAWDモデルはなかった。
新しいアイデアを盛り込んだレガシィは、ツーリングワゴンを中心に好調な販売を記録。そして派生車種としてクロスオーバーSUVのアウトバックも誕生させた。アウトバックは北米で大ヒットし、雪国や悪路だけでなくアメリカの景色までも変えてしまったのだ。
また、AWDの世界を変えただけでなく、安全に対する人々の考え方まで変えてしまった。独創性を重視するスバルは、走りの楽しさにこだわるだけでなく安全性にも強いこだわりを見せたのである。その真摯な取り組みは運転支援システムのアイサイトで開花した。
長い間、安全は売り物にならないと言われていたが、レガシィは定説を覆した。アイサイトに感銘を受け、指名買いをする人も増えたから、ライバルも慌てて運転支援システムを進化させてきた。スポーツワゴンの指標となり、安全で快適なセダンとしても成長を続けてきたのがレガシィだ。

























コメント
コメントの使い方スバルの持っているものとポリシーが車の形態に合致し、それが販売数に直結したのです。
せっかくエンジンの重心低いのに、車高高くては意味がありません。だからステーションワゴンなのです
低さは見切りの良さやサイド含めてのウインドウの広さにも繋がっています。カッコの為に見切り悪く&ウインドウ狭くしたらこれも意味がない。
SUVで資金稼げたら、売れた頃に立ち返って、ウケた理由を再構築した車作りをしてほしい。