EVの特性として「充電に相応の時間がかかる」ことが挙げられる。BYDはかねてから「充電時間を給油時間並みにする」と公言してきたが、いよいよそれが実現しそうだ。充電時間短縮はもちろん、性能でも価格でも桁外れのEVが登場する!?
※本稿は2025年4月のものです
文:角田伸幸/写真:BYD ほか
初出:『ベストカー』2025年5月10日号
何から何まで規格外の超BEVがBYDから登場!
中国のBYDは、かねてから「EVの充電時間を給油並みにする」と公言してきた。いよいよそれが実現するかもしれない。
2025年3月17日、同社は王朝シリーズのフラッグシップとなる「漢L」「唐L」を公開した。前者がセダンで後者はSUVだが、どちらもBYDが今後10年を見据えて開発した新型プラットフォーム「超級e平台」を使っている点は同じだ。
その充電能力だが、量産EV初の1000kW充電に対応した。バッテリーの詳細は非公表だが、充電1秒あたり2km分の電気が貯められ、たった5分で400km分の充電が可能だという。充電効率を示すCレートは前代未聞の10C。理屈ではわずか6分で満充電になる計算だ。
とはいえこの性能を発揮するには、設備側にも備えが必要。実は漢L、唐Lには車体両側に充電ポートがあり、双方から同時充電ができる。前述の短時間充電を行うには、500kW級の充電器を2基同時に繋ぐ必要があるわけだ。
とんでもないクルマだが、実はこの2台、動力性能もすさまじい。搭載するモーターの最高回転数はなんと3万511回転! テスラ モデルSプラッドが2万回転と聞けば、その凄さがわかるだろう。結果、セダン版の漢Lの0-100km/h加速は2.7秒、最高速度は実測値で305kmに達する。
しかも漢L、唐Lは安い。たとえば漢Lのベースモデルはたったの27万元(約553万円)。高性能のたたき売りである。
中国車のスペックには驚かなくなったが、この2台のコスパは圧倒的。とりわけ充電時間の短さは、EV停滞を吹き飛ばすゲームチェンジャーになるかもしれない。売れゆきに注目。









コメント
コメントの使い方EVはスマホみたいに数年で買い替えるようになれば耐久性も今の国産車ほど持たせなくても良くなるだろうし、だとすると中国勢脅威過ぎるね
どうでも良いけど価格競争で傾いてないかい?
日本では法律の面で充電器の設置はかなり難しいね。中国でも限られたユーザー向けだろうけど、技術のアピールにはなるなあ。
半個体電池で十分ゲームチェンジャーになれるし、ユーザーにとっての利益も跳ね上げるなら、世界を席巻する可能性はある。
ただ、日本やアメリカやノルウェーなどでは、信頼性が優先されるだろうから、それらでまで売れるかは故障率次第