かつてスカイラインの面影をまとって登場したコンパクトカーがあった。その名もラングレー。「プアマンズスカイライン」なんて呼ばれつつも、なんと3代目ではついにスカイラインの象徴である丸型4灯テールを装着! 平成の始まりとともに去った存在感バツグンな名車を振り返ろう。
文:小鮒 康一/画像:日産
【画像ギャラリー】実質コンパクトカーのスカイラインじゃん! 3ドアの方にも丸型4灯あったらもっとたまらんなぁこれ……(29枚)画像ギャラリープアマンズスカイライン?
日産を代表する車種のひとつであるスカイライン。そのスカイラインのイメージを纏ったコンパクトカーとして、1980年6月に初代モデルが登場したのがラングレーだった。
このラングレーは当時、エントリーモデル的なコンパクトカーをラインナップしていなかったスカイライン販売店である日産プリンス系列のラインナップを拡充するために追加されたものだったのだが、スカイラインのイメージを重ねてしまったがために「プアマンズスカイライン」と呼ばれてしまうことになってしまったのだ。
中身は大衆前輪駆動車だったラングレー
そんなラングレーだが、歴代モデルすべてが当時の小型車であるパルサーがベースとなっており、メカニズムも共通となっていた。そのため常にFRレイアウトを採用し続けてきたスカイラインに対し、ラングレーは全車で前輪駆動レイアウトとなっていたのだ(4WDモデルもあり)。
もちろんエンジンもスカイライン伝統の直列6気筒エンジンではなく、4気筒エンジンを横置きに搭載しており、メカニズム的にはスカイラインとは全く異なるものとなっていた。
ただスカイラインのイメージを与えるという点についてはかなりこだわりを見せており、1980年に登場した初代モデルではヘッドライトに当時現行型となっていた5代目スカイラインの後期型のものをそのまま流用しており、横基調のフロントグリルも備えて、グリルには「S」マークの代わりに「L」マークを装着する念の入れっぷりだった。
そのため、バックミラーで一瞬見ただけではスカイラインと勘違いするほど似通ったフロントマスクとなっていたのだが、ボディタイプがスカイラインには存在しない3ドアハッチバックだったので、斜め方向からみるとラングレーであることはすぐに分かってしまうのがたまにキズとなっていた。
イメージ戦略が功を奏すも……
続く2代目モデルでは角目4灯のヘッドライトが辛うじて6代目の前期型に似ていると言えるかどうかという少なめの変更点となっていたが、1986年10月に登場した3代目では、先代で兄弟車には存在していたものの頑なに設定しなかった4ドアセダンをついにラインナップ。
さらにキャッチコピーには「スカイラインズ・ミニ」と今までオフィシャルには匂わす程度だったスカイラインとの関係性を大々的にアピール。そして4ドアセダンのテールランプにはスカイラインを思わせる丸型4灯のものを採用して、完全にスカイラインのイメージを投影したのであった。
その販売戦略が功を奏したのか、スマッシュヒットを記録した3代目ラングレーではあったが、兄弟車が増えすぎてしまったこともあってか4代目モデルではパルサーに集約され、日産プリンス系列の販売店でもパルサーを取り扱うことになってラングレーの歴史に終止符を打つこととなったのである。
































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