クロスオーバーSUVに押されているとはいえ、ミニバンもまだまだ人気。しかしかつて多人数乗車を可能とするモデルは、商用車ベースのキャブオーバー車が基本で、決して快適性の高いものではなかった。それを打ち砕いたのが日産 プレーリーと三菱シャリオだ。この2車種はまさに現代ミニバンの祖と言える。今回は初代と2代目のプレーリーが持っていた革新性を追ってみよう!
文:小鮒 康一/画像:日産
【画像ギャラリー】広っ!! これが1980年代前半のクルマなのか!? さすが現代ミニバンの祖プレーリー!! センターピラーレスでフルオープン構造がめちゃ仕事してる!(30枚)画像ギャラリー初代は世界初のセンターピラーレス!?
初代プレーリーは乗用車ベースのミニバンという時点ですでに画期的だったのだが、それに輪をかけて画期的だったのが、なんと両側センターピラーレスのスライドドア車だったということだ。
現在でもタントやN-VANなど、一部車種でセンターピラーレス(正確にはドアにピラーを内蔵している)の車両は存在しているが、プレーリーはなんと両側をピラーレスとするチャレンジングなモデルだったのである。
さすがに当時の技術で両側ピラーレスは強度的にツライものがあったらしく、1988年に登場した2代目は、両側ともピラーを持ったスライドドアモデルとして再出発することとなった。
5人乗りから8人乗りまで!! 2代目の高すぎるポテンシャル
この2代目プレーリー、一見すると地味なスタイルになってしまったようにも思えるのだが、当時としてはかなり洗練されたものという評価であったことに加え、実は非常に豊富なシートバリエーションを誇っていたのである。
そのバリエーションは3-3-2の8人乗り、2-3-2の7人乗り、2-2-2の6人乗り、そして2列シート仕様となる2-3の5人乗りの4種類。
グレードは中間グレードのM系と上級グレードのJ系が用意され、M系には5人乗りと7人乗りが、J系には6人、7人、8人乗りが設定されていた。
グレードによってパワートレーンが変わるということはなく、全車2LのCA20S型で前席が3人掛けとなる8人乗り仕様は4速コラムATのみ。それ以外のグレードにはフロア4速ATのほか、5速MTが用意されていたのは時代を感じさせるポイントだった。のちに輸出仕様に設定のあったKA24E型2.4Lを搭載するグレードも追加された。
流行をしっかり見つめたマイナーチェンジ
ただRVブームの最中ということもあり、シンプルでスタイリッシュなスタイルはイマイチ反応が悪かったらしく、1995年8月には当時のテラノにも通じるRV風のスタイルへと大きく変貌。
車名もプレーリージョイへと改めて、リアのオーバーハングも拡大するなど、マイナーチェンジでありながらかなりの変更がなされていた。
その一方で、シートレイアウトは5人乗りと7人乗りの2種類に絞られたが、エクステリアデザインの変更は商業的には大成功で、スマッシュヒットを記録することとなったのだった。

































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