2025年4月30日、トヨタが米自動運転タクシーの大手、ウェイモとの提携を発表。それに先立つ4月10日、ウェイモは日本を走る自動運転車両を公開。将来的には日本の道路を走る自動運転車両がトヨタ車になるという布石なのか!?
※本稿は2025年5月のものです
文:角田伸幸/写真:トヨタ、ウェイモ
初出:『ベストカー』2025年6月26日号
まさかの「夢のタッグ」実現!?
巨人どうしがついに手を組んだ。日本のトヨタと自動運転の先駆者ウェイモが提携を発表したのだ。
具体的に何をするのかだが、トヨタのリリースには「新たな自動運転の車両プラットフォーム開発における協業を目指す」とある。
わかりにくいが、今後トヨタがレベル3以上の自動運転を実装するにあたり、どんなデータをどんな仕様で取得し、それをもとにどんな車両制御を行うのか。そのための規格作りを進めるものと思われる。
たしかにその点では、ウェイモはトヨタが頼るだけのことはある。同社の自動運転車両の走行距離は、2024年だけで約380万km。
アリゾナやカリフォルニア、テキサスでは無人タクシーの営業運行を行い、2025年春からは東京でも地図データの取得を始めた。ライバルたちがシミュレーションに頼るなか、ウェイモはあくまで現実の道で、経験を高めているのだ。
トヨタに変革をもたらすことになるか?
一方ウェイモは、すでにヒョンデや吉利などとも提携済みだから、トヨタとの提携が独占的なサービスに繋がるとは考えにくい。トヨタも中国の自動運転大手ポニーAIと提携しているから、事情は同じだ。
うがった見方をすれば、トヨタは昨今の米中の断絶に対応すべく、中国圏と北米圏それぞれに自動運転のパートナーを見つける必要があったのかもしれない。
とはいえウェイモは2009年、トヨタ・プリウスで100マイルの自立走行チャレンジに挑み、以降もレクサスRXなどを使って開発を進めてきた。
現在はジャガー I-PACEが多いウェイモの車両群に、再びトヨタ車が加わる可能性は高いだろう。ウェイモとの提携で、近年大きな発表のないトヨタの自動運転にも、変革を期待する。










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