販売首位はヤリスやカローラじゃない? ダイハツが作るライズとルーミーはなんでこんなに強いのか?

スーパーハイトワゴンの魅力を拡張したルーミー

ダイハツ トールのトヨタ向け車両となるルーミー。デビューから10年が経つがまだまだ魅力的
ダイハツ トールのトヨタ向け車両となるルーミー。デビューから10年が経つがまだまだ魅力的

 国内販売ランキング実質3位のルーミーもダイハツ製OEMだ。ルーミーの発売はライズよりも古く2016年に遡る。

 つまりルーミーは、今年で発売後10年を経過するから古さも目立つ。2020年に登場したライバル車のスズキソリオと比べると、ルーミーは、内装の質、後席の座り心地、動力性能、走行安定性、乗り心地、静粛性、燃費性能、安全装備で劣っている。

 それでも2025年度の1か月平均販売台数は、ルーミーは7930台でソリオは4387台だ。ソリオも人気を相応に得ているが、ルーミーの売れ行きはその1.8倍に達する。

 ここまで設計の古いルーミーが高い人気を得た理由は、軽自動車で絶大な売れ行きを誇るスーパーハイトワゴンの小型車版になることだ。軽自動車には、国内販売1位のホンダN-BOXを筆頭に、スズキスペーシア、ダイハツタント、日産ルークスなど、全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを装着したスーパーハイトワゴンが高い人気を得ている。

 それなのに小型車のスーパーハイトワゴンは、ライズとダイハツ版のロッキー、ソリオとOEMの三菱デリカD:2しかない。「スーパーハイトワゴンは欲しいが、軽自動車は避けたい」と考えるユーザーの需要がルーミーに集中した。

 ルーミーは価格の安さも魅力だ。中級グレードのGは、エンジンは直列3気筒1Lだが、LEDヘッドランプ、両側スライドドアの電動開閉機能、エアコンのオート機能などを標準装着して価格は193万9300円だ。軽自動車のスーパーハイトワゴンと同程度になる。同じトヨタのコンパクトカー、ヤリスに直列3気筒1Lエンジンを搭載したGの192万1700円とほぼ同価格だから、高い天井で車内が広く、後席を格納すると自転車も積めて、電動スライドドアも備えたルーミーに割安感が生じた。

ダイハツの値ごろ感をトヨタディーラーで買える安心感

ダイハツの手頃さをトヨタディーラーで買える安心感は大きい
ダイハツの手頃さをトヨタディーラーで買える安心感は大きい

 そしてライズとルーミーに共通する人気の理由として「トヨタ車であること」も見逃せない。トヨタは最大規模のメーカーで、クラウン、センチュリー、アルファードなどの高価格車も豊富だからブランドイメージも高い。ライズとルーミーでは、実際の開発と生産はダイハツが受け持つが「トヨタ車を選べば間違いない」という安心感がある。

 トヨタは販売網も充実する。トヨタの国内店舗数は約4300箇所で、日産の約2000箇所、ホンダの約2100箇所に比べて2倍以上だから購入しやすい。

 これらの事情でライズとルーミーの販売は好調だが、同じトヨタの同クラス車とされるヤリスクロス(販売台数は1か月平均で約7200台)、ヤリス(同じく約6000台)よりも明らかに多く売れている理由は何か。

 販売店は以下のように説明する。「最近のトヨタ車は、生産が需要に追い付かない。そのためにコンパクトな車種も含めて、納期が延びた結果、受注を時々停止させる。ところがダイハツから供給されるライズとルーミーは、納期の大幅な遅延や受注の停止がほとんど生じない。そのために安心して販売できる。トヨタが生産するコンパクトな車種が受注を停止している時など、お客様にライズとルーミーをおすすめしている」。

 以上のようにライズとルーミーは、価格を含めて国内市場のニーズに合った商品で、しかもさまざまなトヨタの事情を考慮しても、ユーザーに対して優しいクルマだ。そのために販売も好調だ。今のトヨタにとって、ダイハツとダイハツ製の商品は、不可欠の存在になっている。

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