2026年は60年ぶりの丙午(ひのえうま)年。だからというわけではないが、クルマとウマには昔から関連があり、ウマにまつわるエピソードも少なくない。今回は、そんなクルマとウマの関係をピックアップしてみた!
文:長谷川 敦/写真:フェラーリ、フォード、ポルシェ、三菱自動車、写真AC、CarWp.com、Adobe Stock
【画像ギャラリー】実はクルマ業界はウマだらけ!?(15枚)画像ギャラリークルマがウマの代わりになった
かつて人々が長距離移動する際の移動手段は馬車、あるいは人が直接ウマに乗る乗馬だった。
しかし、内燃機関や電動機関が発明されるとやがて自動車(クルマ)が誕生し、今度はウマの代わりにそれらの機関が台車を引っ張ることになった。
こうして長らく続いた馬車の時代は終わり、一部を除いてウマは運搬担当から解放された。
とはいえ、現在のクルマ用道路には古き時代の馬車道の名残を持つものが多く、世界のモータリゼーションの根幹にウマが関わっているのは間違いない。
そんなクルマとウマの関連は深く、現在でもその証拠を随所に見ることができる。
まだまだ現役の「馬力」表示
近年は力に対する世界の表記統一が進み、エンジンや電動モーターの出力もニュートン単位の「kW(キロワット)」で表されることが多くなっているが、kWではなく「馬力」で示してもらったほうが力の強さをイメージしやすいという人も多い。
そもそも馬力とは、蒸気機関の改良に大きく貢献したイギリスのジェームス・ワットが提唱した力の単位であり、重さ3万3000ポンドの物体を1分間に1フィート(約30cm)引ける能力を根拠に、1秒間につき550ポンドを1フィート動かす時の仕事率を1馬力として定めたといわれている。
この1馬力を1HPと表記したが、HPはストレートに「ホース・パワー」を意味している。
ただし、ポンド・ヤード法を基準にしているためメートル法基準の国の人間にはわかりづらく、1秒間に75kgの重量を1m動かす時の仕事率を1馬力(1ps)とした単位もある。
メートル法がフランス発祥であることから、このps表記を「仏馬力」、ワットの提唱したHP表示の馬力を「英馬力」と呼んでいる。
psとHPには違いがあり、1psを換算すると約0.986HPになるが、メートル法がメジャーな日本では仏馬力のpsを使用するのが一般的だ。
ちなみにウマ一頭が出せる力を1馬力と単純に思ってしまいがちだが、実際のウマは瞬間的には20馬力近い力を出すことができる。
ウマに由来する馬力は、今後もクルマの世界で使われていきそうだ。
【画像ギャラリー】実はクルマ業界はウマだらけ!?(15枚)画像ギャラリー跳ね馬エンブレムはどちらが元祖?
有名スポーツカーメーカーのポルシェとフェラーリのエンブレムには、どちらもウマが描かれているが、実はそのルーツが同じものであるのをご存じだろうか?
ドイツを代表するスポーツカーメーカー・ポルシェのエンブレム(ロゴマーク)はかなり複雑なデザインだが、最も目立つのは中央に描かれた前足を上げるウマのマーク。
ポルシェの本拠地はバーデン=ヴェルテルンベルク州シュトゥットガルト市にあり、このシュトゥットガルトは日本語で「馬の園」を意味しているためにエンブレムにもウマがいる。
ちなみに全部で6本描かれた鹿の角はバーデン=ヴェルテルンベルク州のシンボルだ。
“跳ね馬”のエンブレムでポルシェ以上に有名ともいえるのがイタリアの名門・フェラーリで、そのデザインはポルシェに似ているが、これは偶然ではない。
フェラーリのエンブレムは、イタリアの著名な戦闘機パイロットであるフランチェスコ・バラッカが所属していたスクーデリア91a部隊のマークがベースになっている。
ウマのマークはバラッカが撃墜したドイツ軍機につけられていたものであり、それが最終的に91a部隊のトレードマークになったのだが、そのドイツ軍機のパイロットがシュトゥットガルト出身だった。
つまり、ポルシェとフェラーリの跳ね馬は、どちらもシュトゥットガルトにルーツがあるが、フェラーリがポルシェのエンブレムをマネしたのではないということだ。


















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