広くて上質なミニバンといえば、真っ先に名前が挙がるのがトヨタ アルファード・ヴェルファイア、いわゆる「アルヴェル」。実はもう一台、上質な移動空間を追求した隠れた実力派が存在する。それが「グランエース」だ。中古車市場での価格帯を調べてみると、驚くことにグランエースは一昔前のアルヴェルの新車価格とほぼ同じ価格帯で手に入れられることがわかる。今回は、このグランエースの魅力とアルファードとの違いについて掘り下げてみたい。
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部、トヨタ
【画像ギャラリー】アルヴェル以外の上質なミニバンが欲しいならコレだ!! グランエースは一昔前のアルヴェル価格で買えちゃう件(16枚)画像ギャラリーグランエースとはどんなクルマか
グランエースは2019年12月に登場した、トヨタのラージサイズミニバンである。ベースとなっているのは国内向けではなく、東南アジアやオセアニア向けに生産されている海外仕様のハイエースだ。
ただし、キャブオーバー形状のハイエースとは異なり、グランエースはボンネットを備えたセミボンネットスタイルを採用しており、外観上の共通点はほとんど見られない。全長5.30m、全幅1.97mという堂々たるボディサイズを誇り、街中でもひときわ存在感を放つ一台だ。
パワートレインには2.8Lクリーンディーゼルターボエンジンと6速オートマチックを搭載し、WLTCモード燃費は10.0km/Lを実現している。グレードは3列シート6人乗りの「プレミアム」と、4列シート8人乗りの「G」の2種類。プレミアムの2列目・3列目に採用されるエグゼクティブパワーシートは、ロングスライドやパワーリクライニング、パワーオットマン、快適温熱シートまで備え、まさにソファでくつろぐような乗り心地を実現している。
グランエースとアルファードの違い
一方のアルファードは、トヨタのフラッグシップミニバンとして開発され、TNGAプラットフォームをベースとしたFF方式のミニバンだ。ガソリンモデルとハイブリッドモデルを用意し、ファミリー用途からビジネス用途まで幅広く選ばれる、いわば「王道」の存在である。街中での流通台数も多く、中古車市場でも選択肢が豊富だ。
対してグランエースは、商用バンをベースとしたFRレイアウトで、ディーゼルエンジンならではの低回転からの力強いトルクと、静粛性の高さが持ち味となっている。生産台数がアルファードに比べて少なく、街中で見かける機会も圧倒的に少ないため、他人と被りにくい特別感を演出できる点も大きな違いだろう。
乗車定員という点では、アルファードが7〜8人乗り中心なのに対し、グランエースは6人乗りのプレミアムであれば後席2列を贅沢な専用シートとして使えるなど、「大勢乗せる」よりも「少人数で上質に移動する」ことに主眼を置いた設計になっているのだ。
中古車価格で見るとどうなるか
中古車相場を見てみると、グランエースの車両価格帯はおおよそ460万円台から。つまり、状態の良いグランエースを選べば、一昔前のアルヴェルの人気グレードを選んだ時の新車価格とほぼ同水準の予算で手に入れられるということになる。
グランエースの良さは、ディーゼルエンジンならではの余裕のあるトルク感、静粛性の高い上質な走行フィール、そして何より他車とかぶらない圧倒的な存在感だ。送迎用途やゆったりとした移動空間を求める人にとって、グランエースは「広くて上質」という条件を満たしながらも、希少性という付加価値までも手に入れられる一台といえるだろう。
アルファードが「みんなが選ぶ王道の高級ミニバン」だとすれば、グランエースは「知る人ぞ知る上質な移動空間」だ。中古車価格が落ち着いてきている今こそ、上級ミニバンの選択肢の一つとして検討してみる価値は十分にあるだろう。
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