日本でのディーゼルエンジン車は、ここ数年で選択肢が大幅に増えた。マツダはもちろん、ベンツやBMWだけでなく、プジョーやボルボなど、数多くの輸入車メーカーも、日本でディーゼルを売るようになってきた。
VWやベンツの不正問題などもあったけれど、ディーゼルの中古車相場は変わっているのか!? そして、今買い得な中古ディーゼルはどれ!?
文:萩原文博/写真:編集部、BMW
ベストカー2017年9月26日号
中古ディーゼル車は値落ちが少ない?
ガソリン車に比べて、新車価格の高いディーゼル車。中古車価格はどうなっているのかを調べてみた。
2016年式のBMW3シリーズセダンで比較すると、新車時価格557万円の320d Mスポーツは、現在、中古車平均価格が415万円。
いっぽう新車時534万円だった320i Mスポーツの中古車の平均価格は397万円。2車は新車時の23万円差が18万円差へと若干縮まっているものの、価格差は維持されている。
ディーゼル車の値落ちは少なく、この傾向は以前からほとんど変わっていない。
不正問題もディーゼル車の中古相場は『横這い』
メルセデスベンツのディーゼルエンジンの排ガス不正疑惑が報道されてから1カ月以上が経過した。
そこで、報道後のディーゼルエンジンを搭載した中古車相場を調べてみると、横這いで推移している車種がほとんどだ。
値落ちしているのは今年フルモデルチェンジを行った旧型のマツダCX-5ぐらいで、現在のところ報道によるディーゼル車の中古車相場への影響は少ない。
現在、平静を保っているディーゼル車の中古車相場だが、ここでは人気の中古ディーゼル車をピックアップ。買い得度などを紹介したので参考にしてほしい。
注目の買い得中古ディーゼルベスト5
■マツダ デミオXD 【中古車価格帯:89万9000〜245万円】
2014年9月に登場した現行型のデミオ。現在流通している中古車は666台あり、そのうち431台がディーゼルエンジンを搭載したXDだ。
価格帯は89.9万~245万円となっていて、グレードではXDツーリングが最も多く、最上級グレードXDツーリングLパッケージ、そしてXDの順番で4WDモデルは少なめだ。
わずかではあるが、100万円以下の中古車が出回り始めたのは注目。平均価格は横這いとなっているが、今後増えるであろう100万円以下の物件は即買いだ。
【お買い得度:5/5】
■マツダ CX-5(先代) 【中古車価格:98万〜339万8000円】
クリーンディーゼルを日本中に広めた立役者といえるのが初代マツダCX-5。約2200台流通している中古車のうち、約85%がディーゼルエンジンを搭載したXDとなっている。
ディーゼルエンジン搭載車のほとんどが横這いで推移するなか、この旧型CX-5は値落ち。これはディーゼル問題というよりはフルモデルチェンジによる影響だ。狙い目はLパッケージ。
【お買い得度:4/5】
■三菱 デリカD:5 【中古車価格:188万1000〜405万9000円】
ミニバンのなかで卓越した悪路走破性をもつ三菱デリカD:5。約1000台流通している中古車のうち約3割がディーゼル車となっている。
パジェロと同様に上限は新車価格と変わらないが、下限は188万円まで値落ちしており、割安感が出ている。グレードではパワーパッケージが圧倒的に多くなっているが、装備が充実した特別仕様車のシャモニーを見つけたら買い。
【お買い得度:5/5】
■BMW 320d 【中古車価格帯:165万〜491万円】
2012年1月に登場した現行型BMW3シリーズ。セダン、ツーリングに続いて、ハッチバックのグランツーリスモにもディーゼル車が追加されたばかりだ。
BMWの中核モデルということもあり、ディーゼル車の中古車は600台以上と非常に豊富。
現在のところ平均価格は横這いで推移しているが、モデルライフが5年目を迎えて値落ちする可能性は高い。相場の最低価格は165万円まで値落ちしており、ディーゼルエンジンを気軽に乗りたい人は狙いたいモデルだ。
【お買い得度:5/5】
■ベンツC220d 【中古車価格帯:318万〜559万円】
2014年に登場したメルセデスベンツCクラス。そろそろ初の車検を迎えるタイミングで値落ちの期待大だ。ディーゼル車である220dの流通数はセダンとワゴンを合わせても約70台と期待外れなくらい少ない。
しかし、中古車の価格帯は318万〜559万円で、走行距離の少ない未使用中古車がかなり出回っている。
Cクラスのディーゼル車はもちろん価格の安い物件も狙い目だが、高年式、高品質の未使用中古車のほうが、バリューが大きくなっているので、狙い目は後者だ。
【お買い得度:4/5】
※お買い得度は5点満点で評価。本記事の情報は2017年8月下旬取材時点のものです。
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