2022年6月10日金曜日、早朝から国立競技場や絵画館周辺にゾロゾロと警察官や警察車両が大挙して集まってきた。大事件でも起きたのか!? 実はコレ、毎年行われている警視庁の行事で、「部隊出動訓練」というもので、さながらパトカーをはじめとした警察車両の展覧会の様相だ。
本来ならば毎年1月初旬に「年頭部隊出動訓練」という名称で行われており、本年は1月7日に開催予定だったが、都内が異例の大雪に見舞われ、延期日であった11日も雪の影響のため延期が決断された。そして5カ月ほど経った6月10日、ようやく開催されたのである。この訓練の目的や規模、どのような内容なのかを追ってみた。現地より速報をお届けしよう。
文・写真/有村拓真
【画像ギャラリー】最新警察車両が大集結!! 2022年パトカー&警察車両大図鑑(11枚)画像ギャラリー神宮外苑に警察車両133台が大集結!! なにが起こった!? その目的は?
部隊出動訓練とは、「職員の心身の鍛練と士気の高揚を図り、首都治安維持の万全を期するため(年頭)部隊出動訓練を行う」と警視庁の紹介ページに記されている。本年は警察官約1655名、車両133台、警察犬14頭、騎馬8騎が参加した。警視総監をはじめとする幹部らが見守る中、早朝の大行進が行われるのである。
この訓練が初めて行われた正確な年は不明だが、昭和24年(1949年)3月には当時の皇居外苑で、自治体警察発足1周年総監観閲式が行われ、さらに昭和26年(1951年)1月には警視庁機動隊分列行進が行われているため、このあたりから現在の部隊出動訓練や、機動隊観閲式が始まったものと思われる。
また、平成29年(2017年)1月には、神宮外苑一帯がオリンピック開催に伴う工事を開始した関係で、会場を江東区夢の島訓練場で実施したことがあったが、基本的には神宮外苑の絵画館前で行われている。そして、令和2年(2020年)1月の年頭部隊出動訓練を最後に、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止が続き、本年は2年ぶりの訓練開催となったのである。
圧巻!! 警視庁の虎の子、特注オープンカーで警視総監が参加部隊を点検
警視総監らが部隊を点検することを巡閲(じゅんえつ)と呼んでいるが、会場に集結した部隊は数が多く、広範囲に存在するため、オープンカーを使用して行っている。
このオープンカー軍団には警視総監をはじめとする幹部らがそれぞれ乗車するが、その数なんと12台!! しかも年代物のキャデラックフリートウッドやSTS、ビュイックリビエラ、さらには日産セドリック(430型前期後期、Y30型ブロアム前期後期、Y31型)トヨタクラウン(70系、120系、130系ハードトップ)などの車両が、幹部らの巡閲をサポートしている。このメンツだけでもものすごい迫力である。
しかもどの車種もベース車にはオープン仕様が存在しないため、特注でオープン仕様に架装されたレア車ばかりである。外装・内装ともにピカピカで普段から大切に手入れされている印象だ。いつまでも長生きして欲しい車両が勢ぞろいしているのであった。
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