「なんちゃってスポーツカー」なんて言わせない!! 独特のユルさが魅力だった愛すべきクルマ6選

“ちょっと惜しい”…でも愛されてたスポーツモデル3車

●三菱 FTO

再評価する価値は大あり!!! なんちゃってスポーツカーと言わせない!! 爪痕を残した魅惑車6選
1994年発売の三菱 FTO。ミラージュベースではあるが、デザインはかなり異なっているのがわかる。1990年に登場したGTOの弟車とも言える位置付けのモデル

 三菱自動車が1994年に発売したFFスペシャリティカーがFTO。先に登場していた4WDモデルのGTOの弟分的存在として誕生し、そのルックスもGTO譲りのものだった。ここで言いたいのは、FTOがFFだったからスポーツカーじゃないということではない。FFでもスポーツカーと呼ぶにふさわしいクルマは多数存在している。

 FTOの基本コンポーネンツは同社のミラージュから流用されていて、エンジンは1.8リッター直4と2.0リッターV6を搭載。コンパクトなボディにV6エンジンの組み合わせはいかにもスポーツカーといったところだが、このV6は少々重く、後期には200ps仕様も登場するものの、いささかパワー不足気味ではあった。

 エンジンが重いこともあって足回りは硬めにチューンされ、これが旋回性能の高さにもつながった。しかし、やはりFTOの立ち位置は中途半端な感はあり、どちらかと言うと、スポーツカーではなく当時流行っていたデートカー的な扱いを受けていた。クルマとしての出来も悪くはなかったが、販売成績を伸ばせず、2000年に1代限りでの歴史を終えている。

●ホンダ プレリュード

再評価する価値は大あり!!! なんちゃってスポーツカーと言わせない!! 爪痕を残した魅惑車6選
シリーズで初めてリトラクタブルヘッドライトを採用した2代目ホンダ プレリュード。車高が低くスマートなシルエットが女性もウケてデートカーとして活躍した

 プレリュードはホンダが1978年にリリースしたFFクーペ。2001年にシリーズ終了を迎えるまで5世代のモデルが登場しているが、なかでもリトラクタブルヘッドライトを採用した2&3代目はスポーツカーと呼んでも問題なさそうなルックスだった。

 FFでありながら可能な限りフロントを低くデザインし、当時の流行でもあったリトラクタブルヘッドライトが精悍なイメージに見せることに成功していた。

 プレリュードの2&3代目の現役期間は1982~1991年だったが、この時期にはドライブすることを重視したスポーツカーよりもデートカーへの需要が大きく、実際、プレリュードもそうした要素を含むスペシャルティカーとして存在していた。

 操縦性はクイックで、3代目では量産車世界初の4WD(4輪操舵)システムが採用されるなど、走りの面でも内容の濃いクルマと言えたが、スポーツカーと言いきるには少々微妙なラインにある存在だった。

●ロータス エスプリ(初期型)

再評価する価値は大あり!!! なんちゃってスポーツカーと言わせない!! 爪痕を残した魅惑車6選
イタリアのデザイナーが手がけたこともあり、それまでのロータス車とは一線を画すスタイルを持つエスプリ。スポーツカーとしての条件は満たしていたのだが……

 イギリスの名門ロータスと言えば、クルマ好きにとっては間違いなくスポーツカーメーカーとして知られている。そんなロータスのクルマを“なんちゃって”候補にあげるのは少々気が引けるが、1976年にデビューしたエスプリ、特にその第1世代は、他のロータス製モデルに比べると若干残念なイメージがある。

 人気スパイ映画の007シリーズでボンドカーとして登場し、路上はおろか水中でも活躍したこのエスプリは、名車と呼ばれ現在でも高い人気を保つロータス ヨーロッパの後継車種的存在でもあった。

 ボディデザインはイタリアのジウジアーロが率いるイタルデザインが担当し、シャシーはロータスが得意とするバックボーンフレームタイプ。これにロータス製2リッター直4エンジンをミドシップ搭載する。と、ここまでのスペックは立派にスポーツカーのそれをクリアしている。

 だが、このエンジンが少々クセモノであり、最高出力が約160psと、車体のキャパシティに対してやや非力ではあった。それゆえに、初期型エスプリに乗った経験のあるドライバーのなかには、スポーツカーとしてのエスプリをあまり評価しない声もある。

 後期モデルではターボ仕様も追加され、最終的には3.5リッターV8ターボモデルが350psを発揮。この頃にはスポーツカーと呼ぶにふさわしいスペックを備えるようになり、2004年まで生産が続く息の長いモデルとなった。

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