“ちょっと惜しい”…でも愛されてたスポーツモデル3車
●三菱 FTO
三菱自動車が1994年に発売したFFスペシャリティカーがFTO。先に登場していた4WDモデルのGTOの弟分的存在として誕生し、そのルックスもGTO譲りのものだった。ここで言いたいのは、FTOがFFだったからスポーツカーじゃないということではない。FFでもスポーツカーと呼ぶにふさわしいクルマは多数存在している。
FTOの基本コンポーネンツは同社のミラージュから流用されていて、エンジンは1.8リッター直4と2.0リッターV6を搭載。コンパクトなボディにV6エンジンの組み合わせはいかにもスポーツカーといったところだが、このV6は少々重く、後期には200ps仕様も登場するものの、いささかパワー不足気味ではあった。
エンジンが重いこともあって足回りは硬めにチューンされ、これが旋回性能の高さにもつながった。しかし、やはりFTOの立ち位置は中途半端な感はあり、どちらかと言うと、スポーツカーではなく当時流行っていたデートカー的な扱いを受けていた。クルマとしての出来も悪くはなかったが、販売成績を伸ばせず、2000年に1代限りでの歴史を終えている。
●ホンダ プレリュード
プレリュードはホンダが1978年にリリースしたFFクーペ。2001年にシリーズ終了を迎えるまで5世代のモデルが登場しているが、なかでもリトラクタブルヘッドライトを採用した2&3代目はスポーツカーと呼んでも問題なさそうなルックスだった。
FFでありながら可能な限りフロントを低くデザインし、当時の流行でもあったリトラクタブルヘッドライトが精悍なイメージに見せることに成功していた。
プレリュードの2&3代目の現役期間は1982~1991年だったが、この時期にはドライブすることを重視したスポーツカーよりもデートカーへの需要が大きく、実際、プレリュードもそうした要素を含むスペシャルティカーとして存在していた。
操縦性はクイックで、3代目では量産車世界初の4WD(4輪操舵)システムが採用されるなど、走りの面でも内容の濃いクルマと言えたが、スポーツカーと言いきるには少々微妙なラインにある存在だった。
●ロータス エスプリ(初期型)
イギリスの名門ロータスと言えば、クルマ好きにとっては間違いなくスポーツカーメーカーとして知られている。そんなロータスのクルマを“なんちゃって”候補にあげるのは少々気が引けるが、1976年にデビューしたエスプリ、特にその第1世代は、他のロータス製モデルに比べると若干残念なイメージがある。
人気スパイ映画の007シリーズでボンドカーとして登場し、路上はおろか水中でも活躍したこのエスプリは、名車と呼ばれ現在でも高い人気を保つロータス ヨーロッパの後継車種的存在でもあった。
ボディデザインはイタリアのジウジアーロが率いるイタルデザインが担当し、シャシーはロータスが得意とするバックボーンフレームタイプ。これにロータス製2リッター直4エンジンをミドシップ搭載する。と、ここまでのスペックは立派にスポーツカーのそれをクリアしている。
だが、このエンジンが少々クセモノであり、最高出力が約160psと、車体のキャパシティに対してやや非力ではあった。それゆえに、初期型エスプリに乗った経験のあるドライバーのなかには、スポーツカーとしてのエスプリをあまり評価しない声もある。
後期モデルではターボ仕様も追加され、最終的には3.5リッターV8ターボモデルが350psを発揮。この頃にはスポーツカーと呼ぶにふさわしいスペックを備えるようになり、2004年まで生産が続く息の長いモデルとなった。
コメント
コメントの使い方2代目プレリュードと同年代の他の国産メーカーにはあれほどの性能の車はない。CVデュアルキャブ+12バルブで他メーカーのDOHC以上の出力、しかも軽量で低重心。乗っていた人でなければおそらく分からない。ルックスだけでデートカー呼ばわりはしないで欲しい。
プレリュードINX乗ってたけど脳内補正バリバリであれ以上の車にまだ出会えてないわ
エスプリがスポーツカーではないか…
世の中には45PSの世界的なスポーツカーもあるのだけどね。
ホンダ・プレリュードのみ、舵角感応式4WSを使用してる。ハンドル舵角少ない時は降臨操舵が同位相、切り込んでゆく際に後輪が同位相→ニュートラル→逆位相になって行く。交差点を通過時にいわゆるケツが流れるのを体感できる。