見た目と中身のマッチングが…な3モデル
●トヨタ サイノス
先に登場したデートカーと同様に、1980~1990年代に注目を集めたジャンルがセクレタリーカー。女性秘書(セクレタリー)が通勤に使うスタイリッシュなクルマをそう呼ぶことが多かったが、ここで紹介するトヨタのサイノスもセクレタリーカーとしての需要が見込まれていた。
初代モデルは1991年に発売。2ドアクーペのフォルムは洗練されていて、スポーツカーと言っても違和感はない。とはいえベースになったのは同時期に販売されていたコンパクトカーのターセル/コルサであり、当然ながらエンジンや足回りのチューンはスポーツ志向の強いものではなかった。
1995年には2代目が登場するものの、結局サイノスの歴史はこの2代目まで。セクレタリーカーの需要減少とともにシリーズの幕を閉じた。
●日産 パルサーエクサ
1970年代末期に日産が発売したパルサーはチェリーの後継車種にあたる。そのパルサーをベースにしたクーペモデルがパルサーEXA(エクサ)で、2代目パルサーの登場とともにデビューした。
正面からの見た目はスポーツカーそのものであり、2ドアノッチバックスタイルのボディもスポーツカーチック。だからエクサがスポーツカーなのかというと、少々話が違ってくる。
まずはエンジンがそこまでパワフルではないこと。デビュー年の1982年モデルに搭載されていた1.5リッター直4エンジンはEGI仕様で95psと控えめで、これでは足りないと思ったのか、翌年には115psを発生するターボモデルが追加された。
1986年にはパルサーのフルモデルチェンジに伴ってエクサもリニューアルされ、パルサーの名が除かれた「エクサ」のみの車名となった。ボディにも、まるでワゴンのように見える新バリエーションのキャノピーが加わり、スポーツカーらしさが薄れてしまった。このエクサも2代目限りでシリーズを終了している。
●フォルクスワーゲン イオス
近年は高級路線にも力を入れているが、ビートルに代表される大衆車メーカーというイメージがまだまだ強いフォルクスワーゲン(VW)。そんなVWが2006年に送り出したEOS(イオス)は、かなりスポーツカーに近づいたクルマだった。
オープンカー(カブリオレ)タイプのイオスはゴルフとパサートの中間に位置するモデルというコンセプトで開発され、実際にゴルフとパサートがベースになっている。最大の特徴でもあるオープンスタイルは電動式ルーフの変形・収納によって実現した。スイッチオンでルーフが5分解され、ものの25秒でオープンカーへと変身してしまうのだ。
このイオスはメーカーの思惑ほどには売れなかったようで、2015年をもって製造・販売を終えていて、今では人々の記憶からも薄れつつある。スポーツカーとまでは言えないが、セダン的な感覚を保ちながらオープンカーの爽快感も味わえるというユニークな存在だった。
今回紹介した6台のなんちゃってスポーツカーは、なんちゃってではなく立派なスポーツカーだと考える人もいるだろう。このあたりは見解の分かれるところだが、たとえなんちゃってスポーツカーと呼ばれても、それがクルマとしての価値を下げることにつながるわけではない。
【画像ギャラリー】なんだかんだ言ってもスポーツカーは見た目が9割!?(13枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方2代目プレリュードと同年代の他の国産メーカーにはあれほどの性能の車はない。CVデュアルキャブ+12バルブで他メーカーのDOHC以上の出力、しかも軽量で低重心。乗っていた人でなければおそらく分からない。ルックスだけでデートカー呼ばわりはしないで欲しい。
プレリュードINX乗ってたけど脳内補正バリバリであれ以上の車にまだ出会えてないわ
エスプリがスポーツカーではないか…
世の中には45PSの世界的なスポーツカーもあるのだけどね。
ホンダ・プレリュードのみ、舵角感応式4WSを使用してる。ハンドル舵角少ない時は降臨操舵が同位相、切り込んでゆく際に後輪が同位相→ニュートラル→逆位相になって行く。交差点を通過時にいわゆるケツが流れるのを体感できる。