重いものは前じゃなく、後ろに! ミドシップにおけるエンジンとはつまりそういうもの。キレあるハンドリングが楽しめる国産ミドシップスポーツの中古市場に迫る!
※本稿は2023年9月のものです
文/伊達軍曹、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年10月26日号
■一度は所有したいが現行車では希少種! だから中古で探したい
ファミリーカーでは馴染みが少なく、高性能なスポーツカーだと比較的身近なレイアウト、ミドシップ。FFやFRでは味わえないあの独特なハンドリングはひとたび乗ればクセになること間違いなし。そんなミドシップを一度も経験・所有しないのはあまりにもったいない!
一方で、現行車でミドシップとなると希有な存在であることも事実。そこで、かつて日本で生まれたミドシップスポーツの中古市場に注目。伊達軍曹にたっぷり解説していただきましょう!
■トヨタMR2
●これってどういうクルマ?
トヨタが1984年から1999年まで製造販売していたスポーツクーペ。初代は国産車初の市販ミドシップ車だった。
1984年から1989年まで販売された初代(AW型)は1.5Lまたは1.6Lの直4エンジンを搭載し、後期型では1.6Lスーパーチャージャー付きを追加。1989年から1999年まで販売された2代目(SW型)は、当時のセリカを同じ2L直4ターボまたは自然吸気エンジンを搭載した。
●中古購入時の注意点は?
初代AW型の中古車は、今となってはやや希少。全国で20台ほどしか流通していないため、納得のいく仕様&コンディションの一台を見つけるには少々苦労するかも。
世代全体としての中古車相場は140万~460万円といったところで、全体の約7割がスーパーチャージャー付き。安いモノは車両160万円付近から見つけることもできるが、比較的コンディションのいい物件は200万円台か。修復歴ありの物件が多いのもこのクルマの特徴だ。
一方の2代目SW型は流通台数約70台と、この種のクルマとしてはまずまず豊富。世代全体としての相場は60万~420万円といったところで、低走行でフルノーマルのワンオーナー車は600万円以上の値がつくこともある。
車両350万円以上の低走行物件はコレクター向けといえるので、普通に乗るつもりであれば、車両200万円前後が狙い目となるだろう。
こちらも初代同様に「修復歴あり」の物件は多い。修復歴がある=買ってはいけないということでもないが、事故と修復の程度をアマチュアが見極めるのは少々難しい。できる限り「修復歴なし」のノーマルに近い物件を探し、コツコツ整備しながら乗るのが、この世代の中古スポーツカーにおいては正解となる。
・中古相場:(AW)約140万~460万円、(SW)約60万〜420万円
・年式:(AW)1984年~1989年、(SW)1989年〜1999年
・入手しやすさ:(AW)★★☆☆☆、(SW)★★★★☆
コメント
コメントの使い方