【RAV4、シビック…】サイズ&価格変更しても名前は変えないクルマたちの行方

■クロカンからの脱却も地道に残るエスクード

【成功度★★★☆☆】

 エスクードも大変身を遂げた一台だ。1988年登場の初代は、本格クロカン同様にラダーフレームを持ちながら、コンパクトかつスタイリッシュなボディを組み合わせることで「街乗りクロカン」という新ジャンルを開拓。

 これがのちのRAV4に代表される街乗りクロスオーバーSUV誕生へと発展していく。

幌ボディの設定もあった初代エスクード。これだけ見るとジムニーのようにも思えるが、後に5ドア化された”ノマド”も追加されるなどキャラクターは明確に違った

 1997年登場の2代目は、キープコンセプトの3ドアと5ドアを持つベースモデルに加え、2.7Lエンジンと7人乗りを可能とした上級仕様の「グランドエスクード」を設定。

 3代目は、グランドエスクードの流れを強く受け継ぎ、日本市場では5ドアモデルのみに(海外では3ドアが継続された)。

 独立フレームこそ廃止されたがフレーム構造を内蔵したモノコックボディとするなど、進化すると共に、クロカン色も高められていた。

2代目はややあか抜けて都会派に。それでもエスクードには確固たる4WDへの強い思いがあった

 ところが、2015年登場の4代目は全てを一新。大胆に生まれ変わることになる。クロスオーバーモデルの「SX4 Sクロス」とベースを共有するモノコックボディを採用。

 これによりシリーズ初のFFとFFベースの4WD車となった。生産地も、日本ではなく、欧州スズキの生産拠点であるハンガリーへと移された。

 結果として、フレーム構造ボディや副変速機付きの本格4WDシステムなどの伝統が失われたのは事実だ。それもあり、一時、旧型エスクードが併売される措置も取られた。

かつての4WDシステムがなくなったものの、SUVとしての存在感は悪くないエスクード。ジムニーとの棲み分けはできたとも言えるが、なんだか寂しい気がしなくもない

 しかし、失ったものがあれば、蘇ったものもあるのだ。それは初代のキャラクターだ。

 歴代モデルは、基本に充実であったからこそ、クロカンらしさを増していくが、それは初代の親しみやすいクロカンというキャラクターを薄れてしまった。

 全面刷新したエスクードだが、その心は原点回帰を図ったのである。現在、輸入車ということもあり、2018年の年間販売台数は、2248台に留まるが、ここでは数字ではなく、エスクード魂が失われていないことを評価したい。

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