■渡辺敏史に訊いてみた!「他の4人が3~5点のトヨタ IQに9点。IQのよさはどこに?」
IQはもはやトヨタにとっては商売の一員になり得ないという判断がなされたクルマなのかもしれない。スマートがバカ売れしているヨーロッパの一部都市で、じわじわとその票田を伸ばしているのが数少ない明るい話題だろうか。
開発時はヴィッツ級、すなわち3.8m程度の全長で3列シートのパッケージングが成立するという試算までなされ、試作車が充分な結果を出すほど思慮がなされたプラットフォームはトヨタのBセグメント以下級の中核を成すに充分なポテンシャルを持っていた。
が、状況を一変させたのはIIHSやユーロNCAPなど、各国の衝突安全基準の急激な改変。
せっかく苦労して設えたプラットフォームは余力をもってこれらに対応するに至らず、ミッション上方レイアウトのステアリングギアボックスや、センターコンソール内に完全に収まるエアコンユニットなど、数々のエクイップメントも含めてIQのみに与えられた水泡と化しつつある。
IQは今乗っても、恐らくCセグメント以下級のトヨタ車のなかで最も芯のあるクルマだ。
ディメンジョン的にやむを得ないピッチングも極力抑え込んだ乗り心地の上質感、標準的なBセグメントと比較してもまったく見劣りのないスタビリティ、異様なホイールベース/トレッド比からくるシャープなハンドリングを充分に活かせる足回りの接地感など、少なくともパッソやヴィッツあたりとはモノの素性と作り手の根性が違うというオーラをビシビシと感じる。
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
【画像ギャラリー】エントリー全17車種!! 全てのランキングと採点はこちら!(5枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方