スズキのお膝元静岡県浜松市周辺ではわりと見かけるが、他の地域だとほとんど姿を見ないクルマ、それこそがランディだ。つい先日まではセレナのOEMモデルであったが、突如トヨタ ノアに変更。しかもそれがカッコいいのだ。OEMとはいえ、かなり差別化もされており、クルマ好きならあえて選択するのも大いにアリ!! マニアックなランディの不思議な魅力を一挙に!!!!!!!!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■ただのバッチ違いにあらず!! 顔も微妙に違うスズキ版ノア
スズキのランディと聞いてすぐに車両が脳裏に浮かんだ人は、なかなかのクルマ好きか浜松周辺にお住まいの方ではないだろうか?
ご存知ない方のために説明すると、スズキ ランディとは現在のスズキの国内ラインナップの中で唯一、3列シートを備えるミニバンであり、現行型はトヨタ ノアのOEMモデルとなっている。そんな現行型ランディだが、実はバッジ以外にもノアとの差異が少なからずあり、マニア心をくすぐる仕様となっているのだ。
■外装の違いがマニアックすぎる……でもマニアこそランディなのが納得
OEMモデルということもあり、グレードを絞っているランディは、ノアに存在するエアロ仕様などはラインナップせず、価格と装備のバランスのとれた「G」グレードのみの展開。ただパワートレインは2Lのガソリンのほか、1.8Lのハイブリッドも用意され、乗車定員はハイブリッドが7人、ガソリンが8人と固定(ノアはガソリンで7人乗りも選べる)となる。
エクステリアデザインはノアの非エアログレードと大きく変わるところはないが、フロントグリルがボディ同色となるノアに対し、ランディはシルバー塗装+メッキモール加飾に。
フードモールディングはボディ同色となることでよりグリル感が強まるほか、リアはテールランプガーニッシュに車名が入るノアに対し、ランディはスズキのSマークのみで、車名はリアゲート右下にエンブレムが貼られるなど、異なる印象となっている点も特徴だ。
■同じグレードなのに16万もスズキが高い不思議!! でも理由がスズキらしさ炸裂だった
そんなランディとノア、Gグレード同士で比較すると、なんとおよそ13万~16万円ランディの方が高い価格となっている。
この価格差はトヨタからOEM供給してもらうための手数料……なんてことは当然なく、実はランディにはノアではメーカーオプションとなっている「快適利便パッケージ(Mid)」に相当する、ハンズフリーデュアルパワースライドドア、ナノイーX、左右独立温度コントロールフロントオートエアコン+リアオートエアコン、快適温熱シートなどが最初から標準装備となっているからその分が上乗せされているというワケだ。
OEMモデルということもあり、メーカーオプションを設定してバリエーションを増やしたくないという裏の理由はあるにせよ、需要の高い装備を最初から組み込んでいるのはスズキの良心と言えるだろう。
ただ逆にノアでは標準装備となる8インチのディスプレイオーディオやコネクテッドナビ用の通信機などはランディには備わらず、オーディオレスとなる点もランディならではのポイント。
これも、どうしても付けたい社外のナビやディスプレイオーディオがあるという人にとっては、ノアでは快適装備まで省略されてしまう「X」でしかオーディオレスが選べないのに対し、ランディを選択すれば、快適装備が備わる「G」でありながらオーディオレスとなるという部分もプラスになるだろう。
バリエーションの豊富さやメーカーオプションの設定ではノアの方が分があるが、コアなユーザーにとってはランディを検討する価値は大いにあると言えるのではないだろうか。
【画像ギャラリー】バッチだけじゃないじゃん!! 顔全然違う!! ノアとスズキ版ノア「ランディ」の違いを写真でどうぞ!!!!!(11枚)画像ギャラリー
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