■伊・独・英・米のスーパーカーもなんのその! 日本にはホンダのNSXがある!
国産ミドシップの最高峰と聞いて、誰もが思い浮かべるのは1990年9月にデビューしたNSXではないだろうか。
量産車として世界初のオールアルミモノコックボディをはじめ、エンジン・シャシー・足回り・シートの構造部材に至るまでアルミ合金を多用して大幅な軽量化を図るとともに、理想的なフロント42:リア58の前後重量配分を実現したNSX。
自然吸気ながら280psを発生した3.0リッターV6 DOHC 24バルブVTECエンジンはもとより、電動パワーステアリング、トラクションコントロールシステム、4チャンネルデジタル制御アンチロックブレーキシステムといった当時のハイテクデバイスを搭載して安全性と快適性も兼備した。
1992年11月には走りの楽しさを徹底追求するべく、さらに運動性能を際立たせたタイプRが登場。NSXで採用した材料置換による軽量化技術をさらに推進しただけでなく、レーシングカーのチューニング理論を応用したピュアスポーツモデルとして開発。
ホンダのレーシングスピリットが溢れるそのスペックは、世界の名立たるスーパースポーツにも引けを取らない純国産スーパーカーとしていまなお語り継がれている。
そんなNSXは2005年12月にいったん生産終了になったが、約10年の時を経て2016年8月に復活。
初代モデルが提案した卓越した運動性能を持ちながら、誰もが快適に操ることができる人間中心のスーパースポーツというコンセプトを継承した2代目。
その一番の見どころとなったのは高効率・高出力が自慢の3モーターハイブリッドシステム“SPORT HYBRID SH-AWD”。
ミドシップにレイアウトした新開発のV6ツインターボエンジンと高効率モーター、ならびに9速デュアルクラッチトランスミッションやトルクベクタリングを可能とするフロントの左右独立モーターなどの組み合わせにより、リニアで力強い加速やより優れた回頭性能を実現した。
しかし、そんな2代目も2022年末をもって販売が終了となった。
■こんな軽自動車、二度と出てこない!? “買うなら今”なホンダのS660
あらゆる場面でいつでもワクワクする、心が昂ぶる本格スポーツカーを追求するべく、Heart Beat Sportをキーワードに開発されたS660は2015年4月に登場。
2022年3月に生産終了になったものの、ホンダイズムを感じさせる走りを意識したミドシップのオープン2シーター軽スポーツモデルは、現在の中古車市場においても平均価格が200万円を下らない人気モデルだ。
そんなS660だけに装備も充実という言葉では言い尽くせないほどの充実ぶりを誇る。
例えば、専用ターボチャージャーを採用した直列3気筒DOHCエンジンとワイドレンジ&クロスレシオの6MTやダイレクトな走りが楽しめるスポーツモードに切り替え可能な7速パドルシフト付CVT。
これらは走る楽しさをもたらすだけでなく、ミドシップエンジン&リアドライブレイアウトの採用による最適な前後重量配分や軽自動車初の電子制御システムであるアジャイルハンドリングアシストによって曲がる楽しさも提供。
まさに、Heart Beat Sportを地で行く趣味性が高い2シーターのオープン軽自動車に仕上がっている。
そのいっぽうで、高い走行性能とは裏腹に実用面でやや難があることは否めない。室内空間は想像している以上に狭く、収納スペースも皆無に等しいなど、お買い物やロングドライブなど普段使いのクルマとしては適さないことも事実。
全高も1180mmときわめて低く、かつ着座位置も低いことから乗り降りするのも意外と大変だったりする。そう、S660はバイクに乗るような感覚で楽しむ割り切りが必要だということ。
とはいえ、実用性が低くてもそれを補って余りある魅力が満載のS660。いまや希少な最高の趣味クルマは今後の中古車市場で価格が高騰する可能性も秘めているだけに、欲しいと思っている人がいたら“今が買い”かもしれない。
コメント
コメントの使い方NSXとNSX-Rは全く別物と言っていい程、ハンドリングにもソリッドさにも差があります。
SNS投稿用であり雰囲気だけならNSXでいいですが、真の価値である走りを味わいたいならどんなに差額があってもRを。
二代目NSXやこの先の新MR2は、2000万円と1000万円の車なので、我々にとってはちょっと別枠ですね