ジャパンモビリティショー2025でついに公開された新型エルグランド! SNSでの反応を見ても賛否両論なところがあるみたいだけど、肝心な性能や乗り心地といった中身も気になるところ。というわけで、そんな方のためにさっそく試乗レポートをお届けするぞ!
文:渡辺敏史/写真:池之平昌信
JMSでさっそく話題! 新型エルグランドどうなんだ!?
1997年の初代登場から数えると4代目となるエルグランド、ようやくその全容がみえ始めた。ちなみに3代目の現行型が登場したのは2010年だから、ざっと15年ぶりの全面刷新となるわけだ。この間、自らが切り拓いた上級ミニバンというカテゴリーはごっそりとトヨタの側にもっていかれた。
その劣勢ぶりは路上をみれば一目瞭然だ。中の人は忸怩たる想いもあっただろうが、日産自体が潮目を変えるに重要な契機のひとつであることは間違いない。
新型エルグランドの開発途上のモデルに栃木のテストコースで触れる機会を得たのは8月上旬のことだ。外装だけではなく内装の過半にも厳重なカモフラージュが施された状態で、まともに見えるのはシートやステアリング、シフトセレクターやメーターといった走ることにまつわる部位しかない。
JMS前に実は試乗しちゃいました!!
車両詳細は基本的には非公表、「ジャパンモビリティーショーで公開予定の新型エルグランド」という触れ込みのもと、エンジニアとのやり取りの中で察せられたことを頼りにインプレを組み立てることになる。
その寸法はアルファード/ヴェルファイア(以降アルヴェル)にほぼ横並びだというが、マットブラックのラッピング越しにもその顔圧は体積的にアルヴェルを上回っているように窺える。加飾よりも塊で押し出す算段なのだろう。そのぶん車幅はアルヴェルより20mmほど広いというから、立体駐車場の利用を制限される場面は出てくるかもしれない。
内装は前述の状況ゆえ、設えや質感面ではわからないこともあるが、シートの着座感や掛け心地、アレンジなどはチェックすることができた。注目される2列目シートの最大のポイントは、背もたれの中折れ機能とオットマンを備えることだ。そういう点ではシートファンクションはアルヴェルというよりもオデッセイ寄りという印象がある。
一方で取材車が最上級グレードだとすれば、アルヴェルのエグゼクティブラウンジのように立派なアームレストを備えるわけではなさそうだ。3列目シートが完全格納出来ないぶん、スライドやリクライニングの可動域に制限はあるが、低反発タッチのフォームを用いた包まれ力のある着座感と中折れならではの姿勢保持もあって、寛ぎ具合はライバルと比しても満足できるレベルにあると思う。
やっぱり気になるのは性能面だよね!
新型エルグランドのパワートレーンは、第3世代のe-POWERとなる。先に欧州向けのキャシュカイに搭載されてデビューした新しいコンポーネンツを用いたもので、新型エルグランドに搭載される駆動用モーターは前後軸2つの構成だ。出力は内緒とのことだが関係者のコメントから、トルクは500Nm越えと内燃機であれば5L級に達していることがわかった。
搭載するエンジンはe-POWER専用として新開発されたZR15DDTe型だ。1.5L 3気筒ターボは自在な駆動のために幅広い領域でトルクを発する必要のある従来の内燃機と異なり、発電用としてのピークに集中して設計が出来ることもあり、最終的な熱効率は42%まで引き上げられた。
効率向上の鍵はコールドスプレーという加工技術を用いてバルブシート高を低減、吸気流路の段付きを減らして強力なタンブル流を発揮させることで燃焼のリーン化を促進する日産独自のSTARCコンセプトとされている。
このエンジンに組み合わせられる前軸モーターはインバータ、発電機、増速機、減速機と一体化された5in1構造を採用。一体化による小型・軽量化や第2世代比で約30%に及ぶシステムコスト削減のみならず、音・振動要素の低減にも貢献しているという。




















































































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