辰己さんにズバリ訊く!今のスバルに足りない部分って?
S さて、スバル広報から「辰己さんに今のスバル車に足りない部分を聞いておいて」というリクエストがあったので、最後に現行量産車の話を辛口でお願いします。
T 今のスバルはアメリカ市場が稼ぎ頭ですけど、アメリカ人って大味なものでもけっこう受け入れてくれるところがありますよね。アメリカはそれでいいかもしれないけど、欧州プレミアムに負けない走りっていうものも勉強しとかないとダメだと思います。で、そういう上質なクルマを作ろうとした時に、どうやって作っていいかわかんないんじゃ困る。
S そういう意味では、日本市場はすごく大事ですよね。スバル党といわれる濃いユーザーの人たちが、「最近のスバルはなってない!」とか、いろいろ叱咤激励をする。そういう声にも真摯に耳を傾けていただきたいと。
T 今のSTIのコンプリートカーのように、少量生産だから作り込める走りの質感を素の量産車にも広げて行きたいですね。ドイツ行ってレンタカーをポンと借りて、いきなりアウトバーン行って速度無制限でも安心して走れるのがドイツ車のブランド価値だとすると、それにプラスして天候や路面を問わず安心して走れるのがスバルだ、という風に評価してもらえるようなクルマであってほしい。
S 素晴らしい締めです。本日はどうもありがとうございました。
プロフィール
辰己英治(たつみ・えいじ)
1951年4月23日 北海道富良野市生まれ。1970年に富士重工業入社後、実験部に配属後、3年間のスバル特約店セールス出向を経験する。初代レガシイの操安性、乗り心地性能を担当し、その後、多くのスバル車の操安性、乗り心地などを担当。2007年役職定年により富士重工業を退職しSTIに転籍、2013年 モータースポーツ統括部プロジェクト室 室長としてSUPER GTとNBR CHALLENGE TEAMでSTI総監督を務める。2024年7月現在 STI NBR CHALLENGE 総監督 兼 車両実験部 技術顧問(ハンドリングエキスパート)
コメント
コメントの使い方