さらば炎熱地獄!? デンソーから画期的なトラック用停車時クーラー「エブリクール」登場

「エブリクール」の機能とメリット

3つの吹き出しグリルを搭載。「ゾーン冷却」寝台利用時の使用例
3つの吹き出しグリルを搭載。「ゾーン冷却」寝台利用時の使用例

 「エブリクール」では、乗車後、短時間で冷房を実感できる「ゾーン冷房」を採用。これは、人体のなかでも熱を感じやすい部位(顔・下半身)を狙い冷風を送る方式で、ベッドスペースと運転席のどちらでも十分な冷風を得ることができる。また、3つの吹き出しグリルで風向を好みに応じて調整可能である。

 電源オン後は速やかに冷房を開始。乗車後もすぐに涼しさを感じられるため、真夏の日中をはじめ、暑い中で作業した後のドライバーの身体を快適に冷やすことができる。

 また、真夏の日中を想定したHiモードや夜間に適したLoモードなど、その時々に必要なモードにすることで、運転席・休憩スペースの双方で快適な涼しさを提供する。

 さらにエンジンがOFFの状態で稼働するため、エンジン音や振動といった騒音の原因を抑制。停車時における周囲の環境にも配慮した仕様だ。これにより、ドライバーの快適な休憩・休息時間につながる。

 新規開発の小型・一体型冷房ユニットは、奥行きは最大でも28cmの薄型仕様。車内中央部に突出部を設けず、圧迫感のない休憩スペースを確保している。車内での移動もしやすく、ベッドに腰掛けることや立膝をつくこともできるという。

 「エブリクール」は、車両に搭載された24Vバッテリーの電力を活用して冷房を運転するが、バッテリーの追加・容量アップは不要だ。

 バッテリーの保護に関しては、専用の検知線を搭載しており、電圧を正確に監視し制御。これににより、バッテリー上がりを防止しながら電力を最大限使用し冷房できるようになっている。

 ちなみにバッテリー残量が⼀定以上低下した場合は、リモコンの警告ランプが点滅して知らせ、その後はエンジン始動に必要なバッテリー残量を残して⾃動で停⽌する仕組みになっている。

 また、「エブリクール」は、エンジン停止が求められる状況においても冷房が使用できるので、ドライバーはもとより、燃料費・CO2排出量削減を実現でき、自社の環境経営・保護活動といった面でも大きなメリットが期待できる。このことは荷主へのアピールポイントとして貢献することにもつながるだろう。

エブリクールの燃費削減効果とCO2排出量削減効果
エブリクールの燃費削減効果とCO2排出量削減効果

 さらに夏場の荷待ちや休憩・仮眠時においても過ごしやすい車内空間を提供し、ドライバーがより良い体調で仕事に取り組める環境を整備することは、ドライバー採用時のアピールや離職の低減といったドライバーの確保にも寄与することだろう。もちろん、ドライバーの運行品質を高め、安全性の向上にも貢献するはずだ。

 なお「エブリクール」の小型・軽量の一体型冷房ユニットは、冷媒充填まで工場で完成されており、架装現場での組み立て・調整作業は不要。安定した高品質により、安心して使用できる仕様だ。また、適合する車両への載せ替えが可能で、車両更新時も継続して使用することができるという(要車種別取付キット)。

 現在のところ「エブリクール」の適合車種は、いすゞギガ2代目(2015年~)の単車・フルキャブ、日野プロフィア2代目(2003年~)3代目(2017年~)の単車・フルキャブで、その他の車種別取付キットは24年春頃より順次発売予定となっている。

【画像ギャラリー】停車時クーラー「エブリクール」の詳細をギャラリーでチェック(7枚)画像ギャラリー

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