この猛暑の中、荷待ちや休息時にアイドリングストップを強いられ、エアコンが使えず灼熱地獄に悩まされているトラックドライバーに朗報です。
デンソーが車載の標準バッテリーで駆動できる小型・軽量な停車時クーラー「Everycool(エブリクール)」を開発。12月よりデンソーソリューションを通じて発売するとのこと。これは期待大ですね。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部、イラスト・写真/デンソーソリューション
デンソーの空調技術を活用した停止時クーラー「エブリクール」
今回デンソーが開発した「エブリクール」は、トラックのエンジン停止時に使用できる冷房装置で、特に夏の暑い時期における「ドライバーの労働環境改善」と、燃料の消費低減による「環境負荷低減と効率的なエネルギー利用」の両立を実現するもの。
デンソーがこれまで培ってきた気流コントロールなどの空調技術を活用し、ドライバーに集中的に冷風をあてることにより快適性を向上。
また車室内全体を冷却する従来の停車時クーラーに対し消費電力(国内の市場に流通している停車時クーラーより算出した平均値)を約57%低減させ、省動力を実現した。そのため車両に搭載されている標準バッテリーで使用可能となっている。
従来の停車時クーラーは、熱交換器用の送風機を室内機と室外機に設置していたが、「エブリクール」は送風機を一体化し、1台で全体の熱交換を可能に……。また、車載技術を用いて専用に開発された小型の電動コンプレッサーを搭載している。
これら2つの技術により、従来の停止時クーラーに対し約30%の小型化と約63%の軽量化を実現。小型化により車室内空間の確保につながり、ドライバーの休憩の質向上や安心安全な運行に貢献し、さらに軽量化により積載量への影響を最小限に抑え、配送効率維持を実現する。
また、従来の停車時クーラーに比べて小型な「エブリクール」は、リアウインドウの視界を妨げることなく設置することができるため、大型トラックだけでなく、中型トラックやトラクター(けん引車)、また新車から既販車まで多様な車種への搭載が可能となっている。