パートナーとのコラボを重視
トヨタ製モジュールを採用するVDLの最初の燃料電池デモ・トラックは、ロードテストを実施した上で、プロジェクトを次のステップに進めるための改善点を評価する。VDLはさらに4台の燃料電池トラックを用意しており、いずれもトヨタの輸送プロバイダーであるVOSトランスポート、シーバグループ、CAT、郵船ロジスティクスなどで使用する予定だ。
これらの運送会社は水素トラックを日常業務で使うという重要な役割を担っており、それぞれの輸送ルートはベルギーのアントワープ、フランスのリール、ドイツのケルン、オランダのアムステルダムとロッテルダムなどを通るルートとなっている。
それぞれのルートには少なくとも1か所の水素充填ステーションがあり、またバックアップ用のソリューションも用意するそうだ。
こうした全ての関係者の協力のもとで、公道での燃料電池トラックの実用化と欧州のエネルギー移行に向けた知見を一つにまとめることにしている。
このトライアルの期間は5年で、欧州全域での代替燃料規則(AFIR:欧州で2023年3月に成立した代替燃料インフラの導入に関する新法)に適合した持続可能な水素インフラの更なる開発を促すとともに、さらに多くのカーボンニュートラルな水素ソリューションの誕生にも期待している。
プロジェクトはトヨタが輸送部門の脱炭素を実現し、2040年までにカーボンニュートラルを達成するという長期目標に向けたイニシアチブを補うものだが、そのためには乗用車の電動化にとどまらないアプローチが必要となる。
トヨタは様々なパートナーとのコラボレーションを重視しており、これにより持続可能かつ達成可能な水素社会への移行を促進する。
モビリティセクターのいろいろな企業をパートナーとしているのもこうした理由によるもので、信頼性が高く、かつ高効率のソリューションを提供するためには異なるスキルが求められるからだという。
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