好調の波に乗る日野チームスガワラ、第1~第4ステージで部門11位をキープ【ダカールラリー2024】

トラブルの出た福変速機も復調!! 順位も徐々に上位へ

 
 8日の第3ステージはアル・ドゥワディミ~アル・サラミヤ。再び440kmのロングSSが予定されている。この日は車両整備がSSゴール直後に設けられたサービスパークでの2時間しか許されておらず、車両はその状態で9日アル・ホフフへの競技に臨むことになる。このため、この日の作業はそれを見越した内容も盛り込み、入念に行なわれた。

 8日の第3ステージでは、日野チームスガワラのHINO600シリーズは4輪部門120位、トラック部門16位の成績でゴール。この結果により同日までの累積順位は総合82位、トラック部門10位に浮上した。

 7日の行程で副変速機にトラブルが発生したHINO600はアル・ドゥワディミのビバークでトランスファーを交換して復調し、この日のステージをベストな状態で走り出した。

 ビバークから西南西に123km移動した地点からスタートしたSSは砂地の中に石の多いワジの底からスタート。間もなく岩に囲まれた砂地でスピードの出せる未舗装路~オフロードへと路面は変化し、何度か砂丘も登場した。

 とりわけ250km地点の砂丘は砂が柔らかいうえに延長も40kmに及んだが、副変速機のローレンジを効果的に使って快走。ハイスピード区間が長かったものの前日と同じく先行車の巻き上げる埃が酷く、ナビゲーションも分かりにくい箇所が多いなど、難易度の高いコースだった。

 第3~4ステージは「セミ」マラソン行程というべき設定で、SSゴール後はビバーク地での整備が許されず、ゴール地点近傍に設けられたサービスパークで2時間だけ作業が認められている。

セミマラソン初日を16位で終え、累積順位を10位に浮上
セミマラソン初日を16位で終え、累積順位を10位に浮上

 その後は172kmのリエゾンでアル・サラミヤのビバーク地へと向かい、車両はパルクフェルメ(車両保管場)に収められる。また、サービスパークでの作業を終えたアシスタンス部隊は530kmのアシスタンスルートで一つ先のアル・ホフフのビバークへと移動を開始した。

 9日の第4ステージはアル・サラミヤ~アル・ホフフ。1日目のSS終了後の整備時間を2時間に制限する新たなマラソンステージの2日目としてリヤド南部の山間地で299kmの競技が行われた。

 HINO600シリーズでトラック部門に参戦している日野チームスガワラは引き続き好調の波に乗り、前日クラッチの滑りが発生していた自動変速機も変速時にアクセルを緩めることで症状は体感されず。SSをトラック部門の首位から54分39秒差の15位でクリアし、累積順位をトラック部門11位とした。

 この日はアル・サラミヤのマラソンビバークから198kmのリエゾンで首都リヤド南部の山間部へ移動。SSは砂地のピストやグラベル路面が中心のハイスピードコースだった。

 途中には石の多いワジや荒れたガタガタ道も現れ先行車が巻き上げる砂埃で視界を奪われることもしばしば。最後は観客が多くて危険という理由からトラック部門のみゴール手前の25km地点で終了となった。

 SSゴール後は201kmのリエゾンで東に向かい、ペルシャ湾近くのアル・ホフフへ。日野チームは日が暮れたばかりの7時頃にビバークに到着した。

 10日はいよいよサウジアラビア南部に広がる砂漠地帯「エンプティクオーター」の領域に入り、東部のシュバイタ近郊で118kmの競技が行なわれる。距離は短いが砂は柔らかく、越えるのが難しい砂丘が延々と続く。12日までのエンプティクオーターでの3日間は今大会最大の山場となりそうだ。

次ページは : 【日野チームスガワラのスタッフのコメント】

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