【画像ギャラリー】いいCVT、悪いCVTの指標とは?

レシオカバレッジの数値が値が大きいほどいいCVT!

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新型タントのCVTは伝達率が大幅に向上
新型タントのCVTは伝達率が大幅に向上
ダイハツのD-CVTのレシオカバレッジは5.3から7.3(新型タントでは6.619)へと拡大し、改良型エンジンの合わせ技により、新型タントの巡航燃費は現行モデルに対し、60km/h時で12%、100km/h時では実に19%改善したという

 本企画で何度も出てきた言葉、レシオカバレッジ。最後にこのレシオカバレッジとはなにか、これまで聞いたことがなかった、という人のために、説明しておきたい。

 レシオカバレッジとは、変速機の変速比幅(適用可能な変速比の範囲)とも呼ばれ、最も低速のギア比を最も高速のギア比で割って求める値だ。

 この値が大きいほど、エンジンが低回転のままで走ることができる車速の幅が広いことになり、燃費が良く、静粛性に優れるという評価につながる。CVTの場合は、最も低速(ロー)のプーリー比を最も高速(ハイ)のプーリー比で割った数値になる。

  4速ATで4程度、6速ATで6程度、8速ATでは8程度、9速ATでは9.8、10速ATでは8.23となっている。CVTは一般に5.5~6程度。 巻末で各社の主な車種のレシオカバレッジを紹介しているので、いいトランスミッションの指標としてみてほしい。

 CVTの場合、変速用プーリーの大径化の制約があるため、多段ATよりも変速比の幅を広げられなかったが、日産とジャトコが2009年に実用化したCVTは副変速機をつけて、乗用車としては当時最も広いレシオカバレッジを7.3とし、後に8.7にまで広がった。

 いっぽう、トヨタは2018年12月、レクサスUX(RAV4)に採用したダイレクトシフトCVTは、CVTに発進用1速ギヤを組み込み、ベルトをハイ側に設定できたことで、レシオカバレッジ7.555を実現した。

 つまり副変速機と発進用1速ギヤを組み込むことで、発進、加速時にはギア比をロー側へシフトし、 力強い駆動力を得ることと、高速巡航時にはギア 比をハイ側へシフトし、静かで燃費の良い走りを両立させている。

 このレシオカバレッジの数値が大きいほど、いいAT、CVTなので、参考にしてほしい。ちなみに過去の車種の数値を比較してみると進化の幅がわかるだろう。

RAV4の2Lガソリンモデルに採用されているダイレクトシフトCVT
RAV4の2Lガソリンモデルに採用されているダイレクトシフトCVT
トヨタ(生産は共同開発したアイシンAW)のダイレクトシフトCVTは発進専用ギア(ブルーの部分)を組み込むことで、ベルトの負担を抑えて燃費と加速フィールを向上させたCVTを登場させている。現在、レクサスUXやRAV4に搭載されている
トヨタ(生産は共同開発したアイシンAW)のダイレクトシフトCVTは発進専用ギア(ブルーの部分)を組み込むことで、ベルトの負担を抑えて燃費と加速フィールを向上させたCVTを登場させている。現在、レクサスUXやRAV4に搭載されている

■主なCVT搭載車のレシオカバレッジ
●レクサスUX:7.555/CVT
●RAV4: 7.555/CVT
●ノート1.2L:7.284/CVT
●スイフト1.3L:7.284/CVT
●インプレッサスポーツ1.6L:7.031/CVT
●フォレスター2.5L:7.031/CVT
●セレナ2L:6.960/CVT
●エクリプスクロス1.5Lターボ:6.960/CVT
●エクストレイル2L:6.960/CVT
●シビックセダン:6.531/CVT
●ステップワゴン1.5Lターボ:6.531/CVT
●ヴォクシー2L:6.454/CVT
●WRX S4:6.442/CVT
●C-HR 1.2ターボ:6.263/CVT
●カローラスポーツ1.2Lターボ:6.263/CVT
●カローラセダン&ツーリング:6.263/CVT
●ヴェゼル1.5L:6.191/CVT

■軽自動車の主なCVT搭載車のレシオカバレッジ
●ekスペース G:7.285/CVT
●デイズルークスターボ:7.285/CVT
●ハスラーXターボ:7.284/CVT
●ワゴンRスティングレーハイブリッド:7.284/CVT
●アルトX:7.197/CVT
●アルトラパンX:7.197/CVT
●ワゴンRハイブリッド:7.197/CVT
●タントXターボ:6.619/CVT
●ekワゴン:5.968/CVT
●デイズ:5.968/CVT
●スペーシアハイブリッド:5.601/CVT
●スペーシアギアハイブリッド:5.601/CVT
●N-BOXターボ:5.463/CVT
●N-ONEプレミアムツアラー:5.463/CVT
●N-WGNターボ:5.463/CVT
●S660:5.463/CVT
●N-BOX G:5.460/CVT
●N-WGN G:5.460/CVT
●ウエイクX:5.298/CVT
●キャストアクティバ:5.298/CVT
●コペンエクスプレイ:5.298/CVT

■主なAT搭載車のレシオカバレッジ
●レクサスLC、LS:8.232/10速AT
●アルファード3.5:8.201/8速AT
●デリカD:5 2.3Lターボ:7.801/8速AT
●クラウン2Lターボ:6.709/8速AT
●レクサスRC F:6.709/8速AT
●スイフトRS-t:6.812/6速AT
●ロードスターS:6.079/6速AT
●スイフトスポーツ:6.018/6速AT
●デミオ1.5L XD:5.934/6速AT
●CX-5 XD:5.812/6速AT
●レクサスRX 2Lターボ:5.428/6速AT

■主な輸入車のAT搭載車のレシオカバレッジ
●フィアット500X:9.812/9速AT
●ジープチェロキー:9.812/9速AT
●ベンツCクラス:9.156/9速AT
●ベンツEクラス:8.908/9速AT
●BMW X2:8.201/8速AT
●BMW X3:7.812/8速AT
●アウディA4:7.377/7速AT
●プジョー3008:8.199/8速AT
●ボルボXC40:7.801/8速AT
●ボルボV60:7.801/8速AT

■主な過去の車種のレシオカバレッジ(順不同)
●LFA(2010年):4.064/6速AT
●NSXタイプT(2004年):3.360/4速AT
●BP5 レガシィツーリングワゴン2.0GT(2003年):4.425/5速AT
●アルテッツァAS200(1998年):3.356/4速AT
●カローラII 1.4L(1997年):2.810/3速AT
●マークIIグランデ(1995年):3.820/4速AT
●レパードJフェリー(1993年):4.013/4速AT
●S13シルビアK’S(1992年):4.013/4速AT
●EF7 CR-X Si(1990年):3.468/4速AT
●マーチターボ(1990年):2.286/3速AT
●R32スカイラインGTS25(1989年):5.558/5速AT

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