欧州三菱自動車が、突如エクリプスクロスのBEVモデルを9月に発表するとリリースを出した。いっぽう日本ではPHEVモデルが生産終了の知らせが……。ついに三菱が軽自動車以外のBEVを投入するのだろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:三菱自動車、ルノー
【画像ギャラリー】エクリプスクロスEVの兄弟車となりそうなセニックのお姿をタップリ!(19枚)画像ギャラリー突如欧州に新型エクリプスクロスが!
5月13日、欧州三菱自動車がリリースを出した。その概要は以下の通り。
・9月に「エクリプス クロス」というCセグメントSUVのBEVを発表
・2025年第4四半期に長距離バージョンを販売、2026年に中距離バージョンが続く予定
・(2月に発表した)グランディス (ICE/HEV) とともに欧州最大の C-SUV セグメントで競合し、高度な ADAS テクノロジーとGoogle を組み込んだ 最先端のコネクティビティが特徴
「おおお、ついに三菱が普通車EVを投入か!」と浮足立ったのだが、クルマ全体が分かる説明写真などはなし。わずかにリアハッチとフェンダー、アルミホイールのクローズアップ画像が3点公開されたのみなのだ。
途方に暮れているとリリース末尾に気になるヒントを見つけた。
「エクリプス クロスは、フランスのドゥエーにあるアンペール(ルノーの電動車部門)でルノー グループによって製造される予定です」。
状況を整理すると、このエクリプスクロスEV、グランディスと同様にルノー車のOEMという可能性が高い。三菱はルノーのCセグメントSUV「シンビオズ」に独自の装備を施し「グランディス」として発売する予定だから(ただしこちらはガソリン/ハイブリッドモデルとなる)、同様の流れになるものと予想する。
その正体はルノー セニック E-Tech Electricか?
となると気になるのが、どのルノー車になるのかということ。リリースでも新型エクリプスクロスはCセグメントSUVだと説明されているから、そのカテゴリーを調べてみると、シンビオズとよく似たサイズのEVが見つかる。それがセニックE-Tech Electricだ。
ルノー セニックはもともとルノー メガーヌのミニバン仕様として生まれたモデルだが、2023年に登場した現行モデル(5代目)から電動のCセグメントSUVへと姿を変えた。そのサイズは全長4470mm、全幅1864mm、全高1571mmというから、まさにCセグメントの王道ともいえるクルマだ。
セニックは現在、アンペアのドゥエー工場で生産されているから、冒頭のエクリプスクロスの説明文とも共通性を感じる。バッテリー容量も87kWhと60kWhがあるから、エクリプスクロスも当初は前者を投入し、2026年に後者が追加するのではなかろうか。
奇しくも日本ではエクリプスクロスPHEVの生産終了の知らせが!
さてこのエクリプスクロス、日本にもやってくるのだろうか。
実は今、日本のエクリプスクロス公式サイトを見ると「PHEVモデルについては、装備・仕様がご希望に添えない場合がございます。詳しくは営業スタッフにお問い合わせください」という一文が掲載されている。
何のことかと思いディーラーに問い合わせてみると、どうやらエクリプスクロスのPHEVが今夏で生産を終了するらしく、すでにメーカーオプションなどが希望に添えない状況だというのだ。
となると、欧州版エクリプスクロス導入の準備ではないかとも思えるのだが、さまざまな情報を勘案すると、電動版エクリプスクロスの日本導入は厳しいようだ。日本ではまだまだBEVの需要が低迷しており、そんな市場に単独の電動車を導入するにはコスト面の採算が合わないのだ。
ではなんで日本のエクリプスクロスPHEVが生産を終えるのかだが、一説によると日産リーフ(新型はクロスオーバーモデルとなる)の兄弟モデルが投入されるという情報もあり、これはこれで期待が膨らむ。いずれにしろエクリプスクロスは、日本と欧州で別の道を歩むことになりそうだ。

















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