アウディQ2殴り込みデビュー、小型SUV市場が大激戦区に

ライバルはホンダやトヨタ? それともベンツやBMW?

 結論から書くと、現時点でアウディQ2と真正面からぶつかるモデルは存在しない、とWeb編集部は考える。

 以下、それを説明したい。(以下の原稿は、コンパクトSUVカタログとしてもお楽しみいただけます)

ホンダ・ヴェゼル/2WDは1.5Lと1.5+モーター、4WD仕様あり。
フィットベース。192万円〜288万6000円

 まず前述のとおり、アウディQ2のボディサイズはホンダ・ヴェゼルやトヨタ・C-HRなどと非常に近い。

 ヴェゼルが切り開いたこのカテゴリーは各メーカー、目玉の売れ筋モデルをラインアップしており、動力性能や価格、燃費や乗り心地、そして何より販売台数において日々しのぎを削っている。

 現時点ではホンダ・ヴェゼルがトップで、対抗がトヨタ・C-HR、それに日産・ジューク、マツダ・CX-3が続く、といった状況といえる。

 ではアウディQ2はそのライバルとなりえるか?

 価格帯や上質感、アウディブランドを考えると、競合するとは考えづらい。

 前述のように、Q2はアウディの中では最小、最安価格とはいえ299万円〜405万円のプライスタグが付いている。ヴェゼルの192万円〜288万6000円では顧客層そのものが違うといえよう。

 では輸入SUVのスモールクラスであればライバルとなるか?

トヨタ・C-HR/2WDは1.8L+モーター、4WD仕様あり。
TNGAプラットフォームを使用。251万円〜290万6000円

 こちらも難しい。というのも、ブランド的に直接競合するメルセデスベンツのGLAやBMWのX1は1.5〜2Lのターボエンジンを搭載しており、価格は358万円〜581万円。

 かなり近しいゾーンにいるものの、こちらはQ2よりもやや上級クラス。むしろこの2台と直接競合するのは、(Q2の兄貴分に位置づけられる)アウディQ3だろう。

 輸入コンパクトSUVにはこのほかにもフィアット500XとMINIクロスオーバーという個性派モデルがあって、特にフィアット500Xは価格帯もエンジンラインアップも近く、アウディQ2と購入を迷う人もいるかもしれない。

 ただし、いくらサイズや価格やパワートレインが似通っていても、イタリア車とドイツ車で迷う人は少ないだろう。

メルセデスベンツ・GLA/2WDは1.6Lターボ、4WD仕様あり。<br>ベンツでは最小のSUV。358万円〜533万円
メルセデスベンツ・GLA/2WDは1.6Lターボ、4WD仕様あり。
ベンツでは最小のSUV。358万円〜533万円

ライバルは2017年中にデビューするレクサスUX

 これだけの数のコンパクトSUVがひしめいている中で、ではアウディQ2はライバル不在なのか、というと、そうとも言い切れない。

 アウディ最小SUVに対抗するのは、レクサス最小SUVであるレクサスUXだと予想する。

 レクサスUXは2016年9月のパリサロンにてコンセプトカーが披露され、2017年3月に開催されたジュネーブショーでレクサスインターナショナルの澤良宏上級副社長が「UXに期待してください。デビューはそれほど遠くありませんので」と語って世界中でニュースになったモデル。

 前ページで紹介したトヨタ・C-HRとプラットフォームを共用化しており、2.0L直4、2.5L直4、2.0L直4+モーターのハイブリッドと3種類のパワーユニットを搭載すると予想されている。

 コンセプトモデルの段階で全長4400㎜×全幅1900㎜×全高1520㎜と、アウディQ2と比べるとやや大きいが、市販車はシェイプアップされるので、もう少し小さくなることを考えるとがっぷり四つの勝負となりそうだ。

  レクサスUX/未来的なデザイン。<br>300万円ほどの価格帯で、2017年中に登場が予想される。<br>トヨタ・C-HRとプラットフォームを共用化
レクサスUX/未来的なデザイン。
300万円ほどの価格帯で、2017年中に登場が予想される。
トヨタ・C-HRとプラットフォームを共用化

 アウディQ2の登場により、コンパクトSUV界の闘いはさらに激しさを増し、ラインアップの厚みも増した。そしてその闘いはまだまだ始まったばかりのようだ。

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