カイエン、自分で修理工場へ帰る 自動運転に否定的だったポルシェが進む自動化への道

 自動運転がここ最近のクルマ界で、最もホットな研究領域となっているのはもはや改めて言うまでもないが、2020年2月25日、これまで自動運転に否定的だったことで知られるドイツ本国のポルシェ本社が、現行型カイエンをベースとする最新型の自動運転車プロトタイプ仕様を発表した、という! これは気になる!!!

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※本稿は2020年3月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年4月10日号


■「あの」ポルシェがカイエンベースの自動運転プロトタイプを発表

 ポルシェはドイツ国内の試験場が設置された修理工場をテストコースとしてカイエンの自動運転プロトタイプをデモ走行させており、今回その走行シーンが公開された。

これがカイエンの自動運転プロトタイプだ!

 ポルシェが採用している自動運転システムのキモとなるのはやはりAIのようで、AIを積極的に採用することでクルマのボディ側に装着するセンサー類を減らすことができるため、技術的にかかるコストを減らせるのがその理由なんだとか。なかでも特に重要となってくるのが、カメラなのだという。

 今回の自動運転テストでは、カイエンはポルシェのカスタマーサービスセンターの建物内と敷地内を走行した。実際に駐車していた場所から昇降式プラットフォームに至るまで自動運転での走行にチャレンジ。

 メカニックの担当者はタブレットを操作し、修理工場内の定められた場所まで自動運転でカイエンを無事に止めることができた。

メカニック担当はタブレット端末を操作するだけでカイエンは自動で修理工場の所定位置に

 カイエンが修理工場でテスト走行する前に、あらかじめクルマの周囲の環境は仮想表現されていたのだが、そのスムーズさにはちょっと驚かされる。

 で、今回の自動運転の走行テストはあくまで修理工場内での実現可能性を主眼に置いたもので、クルマの修理をより安全に効率よくさせるためのモデルケースとして実施。

リアルーフ上には見慣れぬアンテナが鎮座

 ポルシェによれば、今回お披露目されたこの自動運転技術がゆくゆくは港や物流の拠点などのほか、さまざまな場所でのパーキングにおいて利用されることを想定しているのだという。

 ポルシェといえば、以前は自動運転に対して否定的なスタンスを取っていたのだが、ここ最近の自動運転を取り巻く環境の変化によってその姿勢も変わってきている。

この自動運転車に採用されるカメラはNVIDIA製

 MT車の需要が高いポルシェ北米法人CEOのクラウス・ツェルマー氏も「自動運転を取り入れるようになっても将来的にステアリングとペダルをなくすようなことはしない」としながら、そのいっぽうで「渋滞時などはクルマに運転を任せたいと思うユーザーもいる」と語っている。

PC内には自動運転のカイエンとその周囲の環境が表示されている

 現在、グローバルでポルシェのPDK(ポルシェ・ドッペル・クップルング。セミATのこと)率は85%にも上っているという。

 自動運転技術が向上するのはいいとして、MT車も残してほしいなと思うベストカー読者の皆さんも多いのではないだろうか?

修理工場の敷地内を鮮やかに自動運転で駆け抜けるカイエン

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