交機隊員に聞く!! 異例の排気量がゆえにパワー不足⁉
パトカーを国の予算などで購入する際、その用途に応じて警察庁などが作成した仕様書を元に、各メーカーがそれに見合うスペックの車両を用意して入札を行うが、その枠に当てはまるスペックの歴代交通パトカーや覆面パトカーは、最高出力280~300ps級の3~3.5リッター以上の大排気量エンジンを採用し続けてきたのである。
しかしながらここへきてその伝統が崩れてしまった。警ら用パトカーに限り、寒冷地向け4WD仕様には、2.5リッターのハイブリッドモデルi-fourが採用(最高出力184ps、最大トルク22.5kgm、システム出力226ps)されているが、それ以外の警ら・交通用・覆面はなんとすべて同じ2リッターターボ車が採用(最高出力245ps、最大トルク35.7kgm)されてしまったのである。これは前例のないことで、今後もこのような取り組みが続いていくのか、パトカーマニアの関心を大いに誘っている。
警ら用のパトカーを運用する複数県の警察官らに話を伺える機会があったが、街中での取締りやパトロールには特に支障もなく、さすがクラウンは快適だという意見を聞くことができたが、今回の交通用パトカーや覆面はワケが違った。
今まで3.5リッタークラスのクラウンアスリートなど歴代車種を操ってきた高速隊や交機隊員らからも話を伺うことができた。致命的に加速が悪いというわけではないが、今まで慣れた感覚と違う加速のため、戸惑いもあるという。一方で、フロント部分が軽くなり、200系クラウンのような取り回しやすさを感じるので、220系の方が使いやすいといった意見もあり、あちこちの隊員からさまざまなお話しを聞くことができた。
市販のモデルに乗る一般ユーザーならそこまで違和感なく加速しているだろうが、パトカーや覆面パトカーのトランクには、多種多様な警察装備品を積載していることもあり、このあたりの重量も加速に悪影響しているようだ。また、高速道路などで違反車両を追跡する際は、相手もかなりの速度を出しているため、追いつくのに少々時間がかかることも目立ってきているという。いくらターボ車とはいえ、2リッタークラスのグレードがパトカーになるのはなかなか厳しいものがあるのではないだろうか。
ちょうどの全国交通安全運動も始まったため、全国的に積極な活動が予想される。
覆面、パトカーともに交通取締りが主な用途として導入されているので、その勇姿を見られることになるが、自分が取締り対象にならないようにこれからもどうぞ安全運転で!
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