出光興産が新開発した業界初の無リン無灰のディーゼルエンジンオイル「idemitsu AshFree」は、灰の要因となる金属添加剤を使用しないことで、DPFの「超寿命化」を実現。メンテナンスコスト削減やドライバーの負担軽減をもたらす注目の存在だ。
一体、同製品は今までのエンジンオイルと何が違うのだろうか? ちなみに「超寿命化」という言葉は、「長寿命」を超えるという想いを込めた同社の造語である。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部 写真/出光興産、トラックマガジン「フルロード」編集部
【画像ギャラリー】灰が詰まると厄介なDPFって何者?(2枚)画像ギャラリー灰が出ないエンジンオイル
出光興産は、業界初となる無リン無灰のディーゼルエンジンオイル「idemitsu AshFree(粘土グレード:10W-30、荷姿:200Lドラムまたは20L缶)」を、2022年9月1日に発売した。
同製品は、トラックやバスに搭載される排出ガス浄化装置「DPF」の目詰まりの要因となる灰を出さないオイルで、DPFの寿命延長によるメンテナンス費用の削減や、DPF再生時間短縮による労務時間、燃料使用量の削減を実現する。
従来のディーゼルエンジンオイルには、清浄性や耐摩耗性を向上させるため金属添加剤(清浄/耐摩耗剤)が含まれている。これらの金属添加剤は灰となってDPFを詰まらせ、トラブルの要因となることから、長年の課題となっていた。
AshFreeは、この課題を根本的に解決するため「灰を減らすのではなく出さない」というコンセプトのもと、独自の添加剤処方技術により、灰となる金属添加剤を使用しないディーゼルエンジンオイルとして開発されたもの。
独自の添加剤などを配合することで、DH-2(低灰油)規格より低い硫酸灰分と塩基価を実現し、DH-2規格性能を有する処方を確立。JASO HD-2で制定されているすべてのエンジン試験をクリアしている。
なお、販売は同社販売特約店を通じて行なわれる。
idemitsu AshFreeの期待効果
●DPFの寿命延長
金属添加剤を使わず、独自の添加剤を配合することで、DPFに灰が溜まらず、DPFの寿命延長が可能。DPFの寿命が延長されることで、DPFの交換、洗浄などのメンテナンスコスト低減が可能となる。
●燃料消費量の削減
DPFの手動再生に費やしていた労務時間を削減し、負担を軽減する。
●燃料消費量の削減
DPFの再生回数を抑制し、再生に使用する燃料を削減する。
●優れた高温清浄性
同社DH-2オイルに比べ、優れた高温清浄性と低い蒸発性を有しており、デポジット抑制(EGR等)が期待できる。
●環境への貢献
DPFの再生回数抑制などによりCO2排出量の削減に寄与。また、リンを使用しないことで、触媒の被毒を抑え、触媒の交換を減らすことが期待できる。