「手で引く」タイプ なぜ衰退?? レバー式サイドブレーキが激減した訳

レバー式サイドブレーキの長所&短所は?

写真のようなサイドターンのきっかけとしてレバー式サイドブレーキを使うことも多いが、サイドターンには実用的なメリットもある

 一方、対照的なレバー式パーキングブレーキのメリット、デメリットは以下のとおり。

【レバー式サイドブレーキのメリット】

・機械的なものなのでコストが安い

・コントロール性に優れる、コントロール幅が広い/MT車の坂道発進の際にパーキングブレーキを使う場合、レバー式のパーキングブレーキは自分のタイミングで解除できる

(一方、MT+電動パーキングブレーキの場合、多くは横滑り防止装置を利用し、一時的にブレーキホールドするため、特に後輪が駆動するFRやフルタイム4WDではブレーキ解除タイミングが難しく、かえってエンストの原因となるなど、坂道発進が難しくなるケースも)

 そして、主に“サイドターン”と呼ばれるパーキングブレーキを使った後輪のロックを利用して曲率のきついコーナー等を小さくクルリと回る行為も、電動パーキングブレーキではほぼ不可能となる。

 いっけん特殊な行為に思えるが、雪道などでコーナーの曲率を見誤ってしまい、曲がりきれないと判断した時には、最後の手段として事後回避や被害軽減の効果があることもあるので、軽視できないメリットではないだろうか。

【レバー式サイドブレーキのデメリット】

・必要なスペースが大きい

・ブレーキホールドができない/ただし、MT車ではACCと組み合わせても最終的にクラッチを切る必要があり、停止までは対応できない。そのため停止中はニュートラルにしてパーキングブレーキを引けばよく、大きなデメリットではないだろう。

◆  ◆  ◆

 現代の車のほとんどはAT車で、停止まで対応するACCが普及するなど運転支援システムの進化もあり、コストも下がりつつある電動パーキングブレーキ採用車が今後も増える一方なのは間違いない。

 しかし、最もオーソドックスなレバー式のパーキングブレーキにも捨てがたいメリットがあることも事実。

 筆者としては「AT車には電動パーキングブレーキ、MT車ならレバー式」が望ましいのではないかと思う。

【画像ギャラリー】少数ながら健在! レバー式サイドブレーキを採用する主な車種

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