TOYOタイヤの大人気オフロードタイヤブランド「オープンカントリー」。その代表選手の「R/T」に新たに「R/T トレイル」が登場。なんたって舗装路での静粛性はアップしつつも、オフロード性能はほぼ低下なし。そんなにいいタイヤあるんかいな!!! ってことで試乗してきました。
文:ベストカーWeb編集長 塩川雅人/写真:TOYO TIRE
オフロード性能はバッチリすぎる
今回の試乗会は愛知県のさなげアドベンチャーフィールドで実施された。ランクル開発陣も使う「さなげ」だけにそのコース設定はかなりハードなもの。タイヤのよし悪しもはっきりとわかっちゃうわけ。
そこで試乗したのがオープンカントリーR/T トレイル。ざっくり言えば見かけは通常の「R/T(以後、「標準モデル」)」よりハードに見えて、オフロード性能は標準モデルに肉薄するスペックで、オンロードの静粛性はより優れているというもの。
うーん、いくらなんでもまじですかという内容だ。だって良いことづくめなんだもん。編集長と編集部員木村は自費でオープンカントリーR/Tをそれぞれ3セット、2セット買っているほどの愛好家。
それだけに気合を入れてチェックをしてみたが、オフロード性能については標準モデルとまったく遜色がないのだ。試乗車はランクル250のディーゼルモデルだったが電子デバイスを抜きにしても、急な登坂でもスリップは感じない。
雨の影響で路面がほれた箇所もあったが、正直なところ競技レベルの走りをしない限りは標準モデルとの差はわからないし、日本のユーザーの使い方を考えればこれ以上のオフロード性能は「R/T」の名のもとには不要だろう。
舗装路はノイズと突き上げがちょっと不安?
そして皆さん関心があったオンロード性能。微々たる差だが、カタログスペックでは静粛性と乗り心地は「トレイル」のほうが上になっている。
正直なところ最初の見立てでは「R/Tとの差はなかった」という着地点を想定していたのだが、比較して乗ってみると意外なことにタイヤのキャラクターの違いが大きくわかった。
まずノイズについてはトレイルについては高音の「シャー」というノイズが大きく聞こえてくる。舗装との兼ね合いもあるが、標準モデルでは聞こえない音質のノイズが耳に入ってくる。
開発陣に話を聞くとこれはパターンがより細かくなっていること起因しているだろうとのこと。もちろんタイヤ全体を考えれば静かになっているのかもしれないが、今回の試乗では静粛性を感じ取るのが難しかった。
標準モデルからの乗り換えであれば違和感なく受け入れられるが、これがたとえばオープンカントリーAT IIIなどもっとオンロードをターゲットにしたタイヤからの乗り換えだとちょっとびっくりしてしまうだろう。
乗り心地はやや硬めだけど解決策あり
また乗り心地についても突き上げ感がやや強く感じられ、コツコツとしたバイブレーションを感じる。これもまたブロックの変化が大きく感じられる部分。
このあたりでタイヤ空気圧が非常に気になったのだが、当日の冷間空気圧は320kPaに設定されていた。純正タイヤの空気圧は230kPaなのだが、90kPaも高くなっていたのだ。
温間の空気圧を測定したところ355kpaとなっていたので、純正タイヤの乗り味と比較するとその乗り味はかなり硬くなってしまっている。もちろんこれには理由があり、オープンカントリーR/TはLT(ライトトラック)規格のため負荷能力対応表を見ていけば320kPaは順当な空気圧になる。
もちろん安全性を考えれば320kPaがベストだし、メーカーとすればこの空気圧を指定するのは当然のことだ。ただオフロードコースなど私有地を走る際などは少し空気圧を落として走ってみたいところ。それであればもう少しこのタイヤが持つ本来のよさを引き出すことはできそうだ。
ちょっぴり辛口になったがそれもオープンカントリーR/Tの完成度が非常に高すぎるからに他ならない。「見た目がタフでかっこいいオープンカントリーR/T」という認識で乗ってもらえればまったく違和感がない。
もし乗り味が気になるということであれば、ベストカーとTOYOタイヤが実施している乗り比べ試乗会などにぜひ参加してフィーリングを味わって欲しい!!!
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